日本アセアンセンターは、2026年8月29日と9月5日の2日間、アセアンホールにて「ASEAN-Japan Youth Bridge Builders(AJYBB)Co-Creation Lab 2026」を開催しました。在日ASEAN加盟国の若者と日本の学生が集まり、ASEANと日本の関係をより深めるためのアイデアを、具体的なプロジェクトへと発展させました。
本プログラムでは、さまざまな文化的・教育的背景を持つ若者たちが出会い、互いの視点を共有しながら、自分たちで実現したい取り組みを共に考える機会を提供しました。初日には、ASEAN加盟8か国と日本から、大学生、日本語学校生、高校生4名を含む30名が参加しました。
活動ハイライト
Day 1
8月29日の1日目は、参加者同士がお互いを知ることからスタートし、若者としてASEANと日本の関係をより深めるために何ができるか、それぞれの関心やアイデアを共有しました。
まず日本アセアンセンターから、プロジェクト提案やピッチの組み立て方についてのワークショップを実施。その後、参加者は6つのグループに分かれ、自分たちが重要だと考える課題や可能性をもとにプロジェクトのアイデアを出し合いました。異なる視点を持ち寄って議論する中でアイデアを磨き、グループを越えた連携の可能性も探りました。
初日の終了後も各チームで議論を続け、プロジェクト案をさらに練り上げていきました。

Day 2
9月5日の2日目には、参加者のアイデアが以下の4つのプロジェクト案へと発展しました。
ASEAN-Japan Festival
食や飲み物、言語交流、伝統的な遊び、民族衣装などの体験を通じて、ASEANと日本の多様な文化を紹介する参加型イベント。
JASEAN – Beyond Our Identity
「外国人」「日本人」といった枠を越えて互いを知り、長く続く友情を育むことを目指すプロジェクト。オンライン交流と対面での活動を組み合わせて実施します。
Eco-Anxiety
ワークショップや防災シミュレーション、地域のストーリーを共有する活動などを通じて、ASEANと日本の若者が「エコ不安(気候変動などの環境問題に対する不安)」について共に考えるプロジェクト。それぞれの地域で異なる気候変動の経験を共有します。
ASEAN-Japan Students Network(AJSN)
ASEANの学生団体と日本の団体をつなぐ持続的なネットワークの構築を目指すプロジェクト。学生サミットや対話、調査、文化交流などの活動を想定しています。


4チームは、プロジェクトのコンセプト、期待される効果、実現可能性、実施計画について、審査員の前で最終プレゼンテーションを行いました。
審査には、フィリピン共和国大使館のAlvin C. Malasig一等書記官兼領事(日本アセアンセンター理事)、日本アセアンセンターの平林国彦事務総長、Ei Ei Khin交流・観光部長、宮内智子 広報担当官が参加しました。
審査では、実現可能性、独自性、ASEANと日本双方にもたらす価値、継続性・波及効果、チームの実行力を基準に各提案を評価し、その結果、ASEAN-Japan FestivalとJASEAN – Beyond Our Identityの2つのプロジェクトが選出され、日本アセアンセンターからそれぞれ最大10万円の活動費を受け、2026年12月までの実施を目指すことになりました。
主な学び・成果
- ASEANと日本の若者が単に「出会う」だけでなく、「一緒に何かをつくる」機会を持つことの重要性を改めて確認しました。参加者は、それぞれ異なる文化的背景や経験、視点を持ち寄り、議論や調整を重ねながらアイデアを組み合わせ、一つのプロジェクトとして形にしていきました。このプロセスそのものが、互いへの理解を深める貴重な学びの機会となりました。
- 異なるASEAN加盟国出身の若者同士が交流する機会は、学生団体などに所属していない場合、限られているという声が聞かれました。また、日本人の友人をつくることが難しいと感じている参加者もいました。こうした声から、日本アセアンセンターが「つなぎ手」となり、新たな出会いや交流を求めるASEANと日本の若者がつながる場や機会を提供していくことの意義を改めて認識しました。
- AIツールをコミュニケーションの補助として活用しても、言葉の壁は依然として課題として残りました。言語の違いがあっても、ASEANと日本の若者がコミュニケーションを取り、協力し、より深く交流できる方法を引き続き模索していく必要があります。
- 参加者からは、今後も交流を続けたいという強い意欲が示されました。2日目のアンケートでは、回答者全員が「同様のプログラムがあればまた参加したい」と回答しました。異なる文化的背景を持つ人との出会いや、共にアイデアを形にする経験、新たな友人やネットワークづくりが、特に高く評価されました。
- 4つのプロジェクト案からは、ASEANと日本のこれからに対する若者の多様な関心が表れました。文化交流や友情、環境問題、長期的なユースネットワークづくりなど、幅広いテーマが提案されました。
今後に向けて
Co-Creation Labは、参加者のプロジェクトにとってゴールではなく、ここからがスタートです。
選出された2チームは今後、日本アセアンセンターとともにアイデアをさらに具体化し、実施に向けた準備を進めます。ASEAN-Japan FestivalとJASEAN – Beyond Our Identityは、2026年12月までの実施を予定しており、Co-Creation Labから生まれたアイデアを、より多くの人々へと広げていきます。
また日本アセアンセンターでは、今回参加した若者やその他のプロジェクトチームについても、AJYBBを通じて生まれたつながりを活かし、今後の活動に参加できる機会を引き続き検討していきます。
