メイン画像(図1)2026年7月2日、シンガポールで開催された第18回AWGEE会合におけるAJYELN 2.0の発表
日本アセアンセンター(AJC)は、2026年7月2〜3日にシンガポールで開催された18th Meeting of the ASEAN Working Group on Environmental Education (AWGEE)に参加し、ASEAN-Japan Young Environmental Leaders Network(AJYELN)の活動について発表しました。
AWGEEは、ASEAN加盟国における環境教育の優先課題、各国の取組、パートナー支援によるイニシアティブについて議論する地域プラットフォームです。AJCが同会合に参加するのは今回が3回目となり、ASEANの環境教育協力の枠組みにおいて、AJYELNの認知が着実に高まっていることを示す機会となりました。


AJYELNの3年間の成果について発表する日本アセアンセンター 調査・政策アドボカシー(RPA)チーム長・AJYELNプログラム・マネージャーのカトリーナ・ナバロ博士
会合では、日本アセアンセンター調査・政策アドボカシー(RPA)チーム長、シニア・プログラム・マネージャーのカトリーナ・ナバロ博士、およびプログラム・アソシエイト、ヌルラティファが、AJYELNの3年間の成果、プログラムのインパクト、ならびにFY2026以降の戦略的方向性について発表しました。
AJYELNの3年間のインパクトを発表
セッションでは、AJYELNがERIAの海洋プラスチックごみに関する地域ナレッジセンター (RKC-MPD) 、ASEAN生物多様性センター(ACB)、GIZ、ハンス・ザイデル財団、米国ASEANビジネス協議会(USABC) 、ASEAN Foundationなど、地域および国際的な主要環境関係機関と並んで紹介されました。これにより、AJYELNの成果と今後の方向性を、確立された環境協力イニシアティブとともにASEAN関係者へ直接報告する機会となりました。
発表では、2023年から2025年までのAJYELNの累積的な成果が紹介されました。最初の3年間で、AJYELNフェローは182件の活動を実施し、44,279人にリーチし、153の地域支援団体とのネットワークを構築しました。また、約220万円のシード資金を活用し、4.9トンの廃棄物を回収するとともに、オンライン上のリーチを約68,000フォロワーまで拡大しました。
また、AJYELNが学校を中心とした啓発プログラムから、より広範なコミュニティ実践型プラットフォームへと発展してきたことも強調されました。2023年には、フェローがリーチした参加者の多くが学校現場の生徒でしたが、2025年には地域住民が最大の対象層となり、AJYELN 2.0が地域に根差した環境アクションへと移行していることが示されました。
地域におけるAJYELNの認知向上
本会合を通じて、AJCはASEAN加盟国代表および地域パートナーに対し、AJYELNの成果を共有するとともに、ASEANのより広範な環境教育アジェンダにおける本プログラムの意義を示しました。
AWGEEメンバーは、各国および各機関のネットワークを通じた情報共有など、AJYELNの広域的なアウトリーチにも協力しています。
また、インドネシアおよびフィリピンとの間で、若者による環境リーダーシップ、リソースパーソンの参画、各国レベルでの連携など、今後の協力可能性についても意見交換が行われました。これらの交流は、AJYELNがASEANと日本の若い環境リーダー、関係機関、パートナーをつなぐプラットフォームであることを改めて示すものとなりました。
シンガポールの環境教育実践からの学び


シンガポール・Compassvale Secondary Schoolでの視察
AWGEEプログラムの一環として、AJC代表者はシンガポールのエコスクールであるCompassvale Secondary Schoolへの視察にも参加しました。同校の取組は、カリキュラム、キャンパス、文化、コミュニティを通じて、学校全体に環境教育を組み込む実践的な事例を示すものでした。
同校は、教科横断的なサステナビリティ学習、学生主導の環境活動、リサイクルキャンペーン、水耕栽培、アップサイクル活動、地域社会との連携などを含む、学校全体での環境サステナビリティに向けた取組を共有しました。今回の視察は、環境教育が教室内での学びにとどまらず、生徒の日常的な行動、リーダーシップの育成、地域社会への貢献へと広がり得ることを示す機会となりました。
今後に向けて:AJYELN 3.0へ
AWGEEでの発表では、AJYELN 3.0に向けた今後の方向性も紹介されました。AJYELN 3.0は、プログラムをさらに深化・発展させる次のフェーズとして位置付けられています。この次期フェーズでは、政策対話、グリーン・アントレプレナーシップ、同窓生ネットワークの発展、組織的リーダーシップ、ASEAN・日本間のより強固なステークホルダー・エンゲージメントへの貢献を深めることを目指しています。
この方向性は、発表で示された重要な示唆の一つ、すなわちAJYELNは固定的なフェローシップではなく、参加者とともに成長し、地域の環境課題の変化に応答していくために設計されたプラットフォームであるという考え方を反映しています。
第18回AWGEE会合への参加は、次世代の環境リーダーを育成するASEAN・日本のプラットフォームとしてのAJYELNの役割を改めて確認する機会となりました。今後もAJCは、AJYELNの地域的な認知向上、ステークホルダー・エンゲージメント、ASEAN加盟国およびパートナー機関との連携強化に取り組んでいきます。