日本・カンボジア ビジネスマッチングイベント〜デジタル貿易の発展に向けて〜
概要
国際機関日本アセアンセンターは、カンボジア商業省および日本カンボジア協会との共催により、2026年6月25日から26日までの2日間、東京にてビジネス交流プログラムを開催いたしました。本プログラムは、6月25日の専門小売店を巡る視察ツアーと、翌26日にアセアンホール(日本アセアンセンター内)で開催された「カンボジア・日本 デジタルトレード開発ビジネスマッチングイベント」を組み合わせた形で実施されました。
カンボジアの国家eコマース(電子商取引)プラットフォームである「CambodiaTrade.com」に焦点を当てた本プログラムには、日本企業、カンボジア企業、政府関係者、開発援助関係者など計58名が参加しました。日本のバイヤーは、食品、農業、繊維、ハンディクラフト(伝統工芸品)などの分野にわたるカンボジアの輸出企業と直接商談を行ったほか、CambodiaTrade.comを介したライブ取引の実演が行われ、同プラットフォームがクロスボーダー(国際間)取引の実用的なツールとして高い可能性を有していることが示されました。
カンボジア製品と日本市場の接続
6月25日に都内で行われた専門小売店の視察ツアーでは、チア・ラタ商業省長官を代表とするカンボジア代表団が、日本の消費者の嗜好や小売の現場を直接体感しました。参加者は、価値の伝達や消費者の信頼獲得に向けて、パッケージデザイン、商品の陳列、そして地域のストーリー性を生かしたブランディングがどのように活用されているかを学びました。また、地域の特産品を発信するアンテナショップや、実店舗、EC、デジタルでの顧客エンゲージメントを統合したオムニチャネル戦略など、革新的な小売モデルの視察も行われました。
「日本の店舗は、単に物を売るだけの場所ではありません。それぞれの店舗に明確な意味があり、すべてのパッケージの背景にはストーリーがあります」
– チア・ラタ カンボジア商業省長官


6月26日のフォーラムおよびビジネスマッチングセッションでは、3名の専門家による発表が行われました。
まず、Japan Farm Productsの代表取締役である阿古哲史氏が登壇しました。同氏は、カンボジア産のドライフルーツを国内大手小売へ供給してきた14年間の経験に基づき、日本市場での成功には製品の品質だけでなく、一貫した基準の維持、安定した物流、そして迅速な課題解決を通じて、規制当局、消費者、そしてバイヤーとの信頼関係を築くことが不可欠であると強調しました。また、カンボジアの工場で日本国内の余剰農産物を無添加製品へと加工し、両国の市場で販売するという、互恵的な共同ビジネスモデルの提案も行われました。
続いて、カンボジア商業省のマオ・カンハ氏が、CambodiaTrade.comの機能について実演を交えて紹介しました。サプライヤー登録、製品検索、オンライン決済、そして大口注文向けの電子見積もりサービスなどのデモが行われたほか、カンボジアが誇る地理的表示(GI)認証製品(カンポット・ペッパー、モンドルキリ・ハニー、コンポンスプー・パームシュガーなど)の披露もなされました。

CambodiaTrade.com をぜひご覧ください
さらに、ワールド・コンサルティング・グループおよび東京都中小企業の専門家である大橋勲氏が登壇し、Amazon FBA、Etsy、Qoo10 Japanといった日本の主要ECプラットフォームを活用した市場参入ルートを解説しました。その中で、特に食品や化粧品分野において、日本語のラベル表示義務(コンプライアンス)を徹底することの重要性を指摘しました。
イベント後のフィードバックでは、日本側の参加者から非常に高い関心が寄せられ、大半の参加者が本プログラムを「非常に有益」または「有益」と評価しました。特に注目を集めた製品は、カンポット・ペッパー、コーヒー、パームシュガー、ドライフルーツ、農産物、農産加工食品、ギフト用品、およびハンディクラフトでした。一方で、今後の購入検討にあたっては、品質保証、物流コスト、納期(リードタイム)、そしてラベル表示の遵守が主な懸念・考慮事項として挙げられました。
今後の展望






本プログラムは、日本市場におけるカンボジア製品のポテンシャルを示すと同時に、日本市場の期待値を深く理解することの重要性を再認識させる機会となりました。小売業者、EC専門家、そしてバイヤーとの直接的な対話を通じて、カンボジア側の参加者は、日本の消費者行動、ブランディング、小売イノベーション、そして市場参入要件に関する実務的な知見を得ることができました。
また、本取り組みは将来的な協力体制の可能性、特にデジタルトレードプラットフォームのローカライズ(現地最適化)の強化や、中小企業(SME)のパッケージング、ブランディング、ストーリーテリング能力の向上における連携の必要性を浮き彫りにしました。このイニシアチブを通じて築かれたネットワークと知見を基盤に、カンボジア企業は今後、日本のバイヤーとの連携をさらに深め、日本市場での存在感をより一層拡大していくことが期待されます。
詳細のお問い合わせ、または今後のイベントについては、以下までご連絡ください:
国別戦略支援チーム(Country Strategic Support Team)
info_cs@asean.or.jp
