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日本ASEAN友好協力50周年キャッチフレーズ・コンテスト受賞【マーロン・ゲレーロさん】

2022/10/31

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2023年「日本ASEAN友好協力50周年」の公式キャッチフレーズに、フィリピン出身のマーロン・ゲレーロ(Marlon Guerrero)さんの作品「Golden Friendship, Golden Opportunities(輝ける友情 輝ける機会)」が採用されました。キャッチフレーズの意味や、ご自身とASEANや日本との繋がりなどについて伺いました。

故郷への愛を
キャッチフレーズに綴る

―本作品は、日本とASEAN加盟国で一般公募され集まった620点の作品の中から、インドネシアのジャカルタに所在するASEAN日本政府代表部とASEAN諸国の常駐代表部による審査の結果、選ばれました。

採用キャッチフレーズ

このコンテストには、全てのASEAN加盟国と日本が関わっているので、狭き門だなと思っていました。ASEAN加盟国と日本に認められたコンテストで入賞できたことは、とてもラッキーで有難いことだと思っています。

日本アセアンセンター(AJC)から最終選考に私の作品が残っていると連絡を受けたときは、連絡メールのスクリーンショットを撮って親友に見せました。そして採用の連絡を受けたときは、日本の外務省やAJC、ASEAN事務局といったコンテストに係る機関のWEBサイトやSNSページをチェックして、本当なんだと実感しました。自分のFacebookでリンクをシェアしたところ、友達や家族、同僚から「おめでとう」とメッセージをもらいました。

―キャッチフレーズの「Golden」というフレーズが印象的ですね。

キーワードとなっている「Gold」は、実は故郷にインスパイアされて思いついたものです。私は今、故郷であるフィリピンのルソン島、ビコル地方にあるカマリネス・ノルテ州の高校で、理数科の教師として働いています。カマリネス・ノルテ州には、歴史的な金鉱の街、パラケールがあるのです。「Gold」は50年を表すためにも使われるので、このコンテストのテーマにぴったりだと思いました。

私は地元が大好きです! 2021年には市議会委員の選挙にも出馬しました。残念ながら当選はかなわなかったのですが、このコンテストで私のキャッチフレーズが採用されたことが、故郷の州を人々に知ってもらうきっかけになれば嬉しいです。

地元のカマリネス・ノルテ州の高校で教師として働いているマーロンさん。

―キャッチフレーズに込められた意味を教えてください。

「Golden Friendship(輝ける友情)」は日ASEAN間でこれまで築いてきた友情を、「Golden Opportunities (輝ける機会)」は今後50年におけるASEAN諸国と日本の友情と協力を表しています。2023年は、まだ新型コロナウィルス感染症によるパンデミックからの回復の途上となりますが、この「機会」は、ASEANと日本がこれまでと同様に平和、調和、そしてビジョンと共に次の50年に向かっていくことを表しています。

フィリピンと日本に通ずる敬意を表す文化

―フィリピンはASEANの一員ですね。

フィリピンがASEANの原加盟国であることは高校のアジア史の授業で学びました。大学では、月曜日にフィリピンの国歌に続いてASEANアンセムを歌っていました。8月8日のASEAN設立記念日には、加盟国の民族衣装を着てお祝いすることもありました。また、東南アジアの青年を対象としたオンラインのリーダーシップ・プログラムにも参加したことがあり、そこではブルネイやカンボジアといった他の加盟国の同年代の人たちと初めて交流しました。

―日本の印象はいかがでしょうか?

日本にはまだ一度も行ったことがないのですが、大好きな国のひとつです。日本について初めて知ったのは、高校の世界史の授業でした。今は日本のアニメが大好きで、漫画「ワンピース」を集めています。

日本の観光や文化にも興味があります。日本人は敬意を示すためにお辞儀をしますね。フィリピンにも似た文化があり、「マノ」と言って年上の人に挨拶するときはその方の手の甲を自分の額に当てたり、文の最後に「ポ」を付けて相手に敬意を示す丁寧語があります。また、数年前に日本人の子どもの家庭教師をした経験もあります。日本から引っ越して来た家族の子どもで、現地校の授業に慣れるようにフィリピン語と算数を教えました。それがアニメ以外で、実在の日本人に出会った初めての経験でした。

50周年を機会にさらなる友好関係を願う

―マーロンさんが考える、日本ASEAN友好とは?

今24歳の私がこれからの人生を考えたとき、50年という長い年月がとても重要なことだとわかります。日本ASEAN友好協力50周年は、ASEAN全加盟国と日本が今まで積み重ねてきた実績であり、さらなる関係を築く良い機会だとも思います。

より強い絆とビジョン、そしてより良い友好をもたらす調和のとれた関係が、ASEAN と日本の間に生まれることを願っています。そしてその関係構築の動力は、そこに住む人々の力と文化的価値感だと信じています。

マーロン・ゲレーロさん

フィリピンのルソン島、ビコル地方にあるカマリネス・ノルテ州の高校にて、理数科の教師として従事。同州の市議会議員選挙に出馬した経験もあり、将来は政治家になることを目指している。

取材・文/日本アセアンセンター 写真提供(現地写真)/マーロン・ゲレーロ

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