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概要

AJC5.0(FY2022-2025 活動内容)

日本アセアンセンター(AJC)は、2021年に設立40周年を迎えました。また2023年は、日ASEAN友好協力50周年という節目の年です。これらをふまえ、AJCでは、「再考のための5つの目標5つの戦略5つの機会」を掲げた中期戦略計画「AJC 5.0」を作成し、2022~2025年度の活動の礎とします。

AJC 5.0 ビジョン

「日ASEAN間の 貿易、投資、観光、人物交流におけるAJCの目標と戦略的ミッションの強化を通じて、『ASEAN共同体ビジョン2025』と持続可能な開発目標(SDGs)における日ASEANの共通課題の解決に貢献し、人間中心で、包摂的、持続的かつ強靭な社会への変化において、地域の推進力となることを目指します」

5つの目標

以下の5つの目標に焦点を当てて、活動します

1.日本とASEAN諸国との包摂的で強靱、かつ、持続可能な貿易

計画された包摂的な貿易政策と慣行は、持続可能な貧困削減にプラスの影響を与えるという証拠が多く報告されています。[1] AJCは、日本とASEAN諸国との安定的、包摂的、強靱、かつ、持続可能な貿易関係を促進することを目指します。

プログラム1.1: 包摂的で強靱、かつ、持続可能な貿易の促進
プログラム1.2: 包摂的で強靭、かつ、持続可能な貿易の促進に関する学際的研究

関連ページ:貿易関連ウェビナー・ワークショップ案内 貿易関連研究レポート 

2.持続可能なインパクト投資

海外直接投資は、COVID-19による危機からより望ましく、力強に立ち直り、「ASEAN共同体ビジョン2025」とSDGsを達成するために極めて重要です。AJCは、日本からASEAN諸国への、計画性が高く責任ある直接投資を、伝統的な投資アプローチと環境、社会、ガバナンスの知見と組み合わせ、より促進することを目指します。これにより、若者や女性を含むすべての加盟国で質の高い雇用を創出し、特に気候変動や環境悪化に注意を払いながら、「ASEAN共同体ビジョン2025」とSDGsの実現に貢献します。また、ASEAN諸国の国内企業、特に中小企業による国際市場へのアクセスおよびグローバル・バリュー・チェーンへの統合を支援します。

プログラム2.1: 日本からASEANへの持続可能な責任あるインパクト投資の促進
プログラム2.2:  「ASEAN包括的復興枠組み(ACRF)」を支援するためのインパクト投資に関する学際的研究

関連ページ:投資関連ウェビナー案内 ASEANの工業団地 インパクト投資等、投資関連レポート ASEAN情報マップ

3.持続可能かつ責任ある観光

世界観光機関(UNWTO)では、持続可能な観光を「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」と定義しています。他方、責任ある観光は、この問題に個人レベルで取り組むもので、観光が地域社会に与える負の社会的、経済的、環境的影響を減らすよう努めます。新型コロナウィルス危機からの復興のために観光の恩恵を活用するとともに「ASEAN共同体ビジョン2025」とSDGsの達成を目指します。

プログラム3.1: ASEANにおける持続可能な観光の促進
プログラム3.2: 日本からASEANへの旅行者による責任ある観光の促進

関連ページ:観光関連ウェビナー・イベント案内 ASEAN Travel (観光情報サイト) 

4.日本とASEAN諸国の共栄に向けた、リーダーシップ交流の促進および若者と女性のエンパワーメント

ASEAN諸国と日本の若者は、自国と世界の双方に影響を及ぼす多くの問題に直面しており、それら社会的、政治的、環境的な問題の解決策を見つけ、長期的な変化を作り出すことに増々関心を高めています。ASEAN地域は、過去10年間に持続可能な開発における複数の分野で大きな進展を遂げてきましたが、依然として格差が生じています。AJCは、ASEAN諸国と日本における若者と女性が、コミュニティ、国内、地域、そしてグローバルな課題に対する具体的な解決策を集団や個人で見い出すことにより、更なるリーダーシップを発揮することを目指します。

プログラム4.1: ASEANと日本における若者と女性の対話、およびリーダーシップ向上の機会の強化
プログラム4.2: 日ASEAN関係の重要性に関するASEANと日本の若者の意識向上
プログラム4.3: 海洋プラスチックごみに関する日ASEAN協力

関連ページ:人物交流事業の案内 ASEAN出張授業 グループ訪問の受け入れ 海洋プラスチックごみに関する日ASEAN協力

5.変革のためのアドボカシー、コミュニケーション、ソーシャル・モビライゼーション(社会動員)、パートナーシップ

ビジネスと市民社会の両方の視点、目標、洞察、経験をバランス良く取り入れたアドボカシーとコミュニケーションは、効果的な政策立案を形成し、それに影響を与える強力な手段となり得ることが報告されています。「ASEAN共同体ビジョン2025」とSDGsの実現に必要な政策を形成し影響を与えるために、パブリック・アドボカシー、コミュニケーション、ソーシャル・モビライゼーション、パートナーシップを通じて、AJCが果たすことができる積極的な役割に注力します。

プログラム5.1: AJCの目標を達成するための公的・または人々の支持の構築
プログラム5.2: 2023年とその後のAJCの目標達成のためのステークホルダーの信頼強化

関連ページ:ASEANPEDIAウェブサイト 日本アセアンセンター組織について

5つの戦略

5つの目標を達成するための戦略は次の通りです。

  1.  日ASEAN間の持続可能で包摂的な貿易、投資、観光に向けた変化を推進するために、データ、証拠、事実、調査を活用します。
  2.  特に第一線の政策立案者間の環境整備と能力構築、強靭性の向上に注力し、状況に応じた制度の強化に貢献します。
  3.  ASEANと日本の人々に有益な変化を促すために、アドボカシーとコミュニケーションを強化します。
  4.  中小企業、女性、若者などの主要なステークホルダーとのパートナーシップを活用し、ASEANと日本の政策立案者および市民から支持を獲得します。
  5.  ASEAN加盟国および日本のニーズと声に耳を傾け、そのニーズと背景を分析し、ともに解決策を策定し実行します。

5つの機会

AJCは、その事業により大きなインパクトを与えるために、今後予定されている、以下を含む日ASEAN関係における重要な機会を活用します。

  1.  2022年には、RCEP協定が既に発効し、インドネシアはG 20の議長国を務め、タイはAPECを主催します。
  2.  2023年には、日ASEAN友好協力50周年、日カンボジア外交関係樹立70周年、日インドネシア国交樹立65周年、日ベトナム外交関係樹立50周年を迎えます。
  3.  2024年には、日ブルネイ外交関係樹立40周年および日ミャンマー外交関係樹立70周年を迎えます。パンデミックは世界的に収束すると予想され、よりスマートで、より環境に優しく、より安全なASEANに向けた行動が加速されるでしょう。
  4.  「ASEAN共同体ビジョン2025」の最後の年となる2025年には、日ラオス人民民主共和国外交関係樹立70周年を迎えます。
  5.  2025年の大阪・関西万博は、「多様で心身ともに健康な生き方」と「持続可能な社会経済システム」の2つのサブテーマが相互に関連し、「いのち輝く未来社会のデザイン」を主テーマとして開催されます。

[1] Engel, Jakob, Deeksha Kokas, Gladys Lopez-Acevedo, and Maryla Maliszewska. 2021. The Distributional Impacts of Trade: Empirical Innovations, Analytical Tools, and Policy Responses. Trade and Development. Washington, DC: World Bank. doi: 10.1596/978-1-4648-1704-5. License: Creative Commons Attribution CC BY 3.0 IGO

[2] https://www.unwto.org/sustainable-development