開催日:2025年2月21日
会場:駐日カンボジア王国大使館
主催:日本アセアンセンター、駐日カンボジア王国大使館

概要
日本アセアンセンターと駐日カンボジア王国大使館の共催により、「カンボジア食材セミナー ~クメール文化とビジネスチャンス~」 が2025年2月21日、東京で開催されました。本イベントは、カンボジアの豊かな食文化と成長著しい農産食品分野を紹介するプラットフォームとして、多くの注目を集めました。参加者は日本のビジネス関係者、輸入業者、フード関係者、など約80名にのぼりました。
文化紹介、ビジネス交流、観光プロモーションの要素を融合させた本イベントでは、ビジネス体験談、製品展示、クメール料理の調理実演、ネットワーキングレセプションが行われました。目的は、カンボジアの誇る高品質な食品—カンポットペッパー、カシューナッツ、ドライマンゴー、オーガニック米など—と、それを支える貿易モデルを紹介し、日本とのビジネス連携をさらに強化することでした。
戦略的インサイトと今後の展望
本イベントでは、「市場の関心」に加え、「信頼」「親和性」「製品の準備状態」が、輸出拡大の鍵であることが指摘されました。
日本の企業は、健康志向やオーガニック食品に高い関心を寄せており、カンボジア側でもその期待に応えようとする動きが高まっています。
市場参入に向けた次のステップ:
1. 輸出準備が整った製品から始め、認証、ブランディング、現地市場への適応を進めること
2. 「話題性」よりも「健康」「安心」「品質」など日本消費者の好みにマッチした価値を訴求すること
参加者の声と主な成果
市場の関心
日本市場では、健康志向・オーガニック・プレミアム食品への関心が高まっており、香辛料・ハーブ、新鮮な野菜や果物、オーガニック製品に強い関心が寄せられました。原産地のストーリーや希少性といった「物語性」にも注目が集まっています
「農業製品のクオリティの高さを認識しました」
「積極的に海外からの投資を誘致している国であり、これから益々発展していく印象を持った」
– 参加者アンケートより






展示された製品には、カンポットペッパー、カシューナッツ、ドライフルーツ、紅茶、コーヒー、米などが含まれていました。
キャパシティギャップ
関心の一方で、次のような課題も指摘されました:
- パッケージデザインと耐久性の改善(輸送時の保護性含む)
- オーガニック・GAP・フェアトレードなどの認証取得
- 生鮮品の鮮度維持に対応した物流体制の構築
講演者とイベントハイライト
山口紗代 氏(SHINAL Japan代表 / Canopy Sands Development Japan代表)
カンボジアの農産品(米・胡椒・カシューナッツ)とRCEPにおける輸出機会について紹介。日系企業による加工投資の可能性にも言及。
神田真之介 氏(有限会社神田興産 食品事業部部長)
カンボジア産胡椒・ドライフルーツを日本全国1,000店舗に展開した事例を共有。市場トレンドへの対応と品質基準の重要性を強調。
ウン・ピサイ 氏(駐日カンボジア王国大使館 二等書記官)
食文化、エコツーリズムなどを含む観光振興の展望や、大阪万博を見据えたプロモーションについて紹介。
クメール料理デモンストレーション
「Lum Orng」オーナーシェフのソテア・セン氏が、カンボジアの伝統料理3品(青マンゴーサラダ、フィッシュアモック、ビーフロックラック)を実演。食材にはカンポットペッパーやカシューナッツを使用し、日本人向けのアレンジ例や代替食材の紹介も行われました。司会進行は食文化研究家の前原とよみ氏。
出展者と紹介製品(一部)
- GI認証済カンポットペッパー
- カシューナッツ
- ドライマンゴー
- パームシュガー
- カンボジア産オーガニック米
- 茶、米焼酎、果実リキュールなど
出展者リストは以下をご参照ください: 1.Exhibitors’ List・出展者リスト.pdf