ASEAN JAPAN CENTRE 日本アセアンセンター

事業報告

タイにおける教育旅行の新たな可能性を探る ― 教育旅行ファムトリップを実施

大学間交流、コミュニティ・ベースド・ツーリズム、体験型学習を通じて、日本の大学生に新たな学びの機会を 

日本アセアンセンターは、タイ国政府観光庁(TAT)と連携し、日本の大学生を対象とした教育旅行プログラムの開発への可能性を探るため、タイへの教育旅行ファムトリップを共催しました。日本から大学教員4名とメディア関係者2名が参加し、観光局や大学との意見交換に加え、地域主体の観光の取り組みや、文化・自然・都市の魅力を体験する視察を行いました。 

6日間にわたる本プログラムでは、タイの多様な観光資源を今後の教育旅行にどのように活用できるかを探るとともに、タイの関係者との交流を通じて、学術連携の可能性や、文化への理解、実践的な学び、地域住民との交流を組み合わせた教育旅行のあり方について考察しました。 

タイの観光・高等教育分野との交流 

タイ国政府観光庁:教育旅行の可能性を探る 

初日には、バンコクにあるタイ国政府観光庁(TAT)本部を訪問しました。 

訪問時には、「Prospects of Thailand for Higher Education Study Tours: Transitioning from Tourism to Experiential Learning(高等教育におけるタイのスタディツアーの可能性:観光から体験型学習への展開)」と題したプレゼンテーションが行われました。日本の大学生を対象とした教育旅行プログラムの開発に向け、従来型の観光にとどまらず、学びや文化交流、国際理解につながる体験型プログラムへと発展させる可能性が紹介されました。 

続く質疑応答では、教育旅行の渡航先としてのタイの魅力や、日本の大学・学生のニーズに応じたプログラムの開発について意見交換が行われました。 

学術連携の可能性を探る:スィーパトゥム大学とコーンケーン大学 

参加者は、バンコクのスィーパトゥム大学(SPU)とイサーン地方にあるコーンケーン大学を訪問し、日本の大学生を対象とした教育旅行プログラムや、大学間の学術連携の可能性について意見交換を行いました。 

SPUでは、大学のカリキュラムや日本人学生の受け入れに向けたプログラムの可能性について説明を受けました。また、文化交流の機会、医療サービスへのアクセス、渡航先としての安全性に加え、訪問する日本人学生との円滑なコミュニケーションやプログラム運営を支える、日本語に対応できる教員やコーディネーターの重要性についても意見が交わされました。 

コーンケーン大学では、アジア太平洋観光センター(CAPTOUR)の主催により、大学関係者、地域の観光関係者、事業者らが参加する説明会と意見交換会が行われました。大学のカリキュラムや学生主体の活動が紹介されたほか、日タイ間の学生交流や教育旅行分野における協力の可能性について議論が行われました。 

これらの訪問を通じて、大学間の連携に加え、観光関係者や地域コミュニティとの協力が、学術的な学びと異文化体験を組み合わせた教育プログラムの開発において重要であることが確認されました。

教室の外に広がる多様な学びの機会 

大学などの訪問に加え、一行は、今後の教育旅行プログラムへの活用可能性を探るため、さまざまな観光地や体験プログラムを視察しました。 

コーンケーン県では、メーキン・ファームにおけるコミュニティ・ベースド・ツーリズム(CBT)のプログラムに参加したほか、プーウィアン国立公園を訪問しました。地域の活動や暮らし、自然環境に触れる体験は、地域社会や環境について学ぶ教育旅行の素材としての可能性を示すものでした。 

バンコクでは、ワット・パークナム、ICONSIAM(アイコンサイアム)、ソンワット通りを訪問し、タイの文化遺産、現代的な都市開発、新たな観光の動きなど、多様な側面に触れました。これらの視察を通じて、タイには、日本の大学生が地域との交流、環境学習、文化探訪、現代都市の魅力などを幅広く学べる観光資源があることが確認されました。各プログラムの教育目的に応じて、これらの体験を組み合わせることで、学びのテーマに沿った多様な教育旅行を企画することが期待されます。 

今後に向けて 

今回のファムトリップでは、日タイ間の教育旅行における連携の可能性について、多くの示唆が得られました。参加者からは、長年にわたり観光を発展させてきたタイの経験や、観光課題への研究に基づく取り組みは、日本の観光分野にとっても学ぶべき点が多いとの意見が寄せられました。 

また、海外旅行の経験が限られる若い世代にとって、タイは日本からの距離や安全性に加え、文化的な共通点と相違点の両方を持ち、比較的費用対効果の高い渡航先であることから、教育プログラムを通じて海外を知る第一歩となる可能性も指摘されました。 

日本アセアンセンターは、今回得られた知見を関係者と共有するとともに、大学、観光当局、観光産業関係者との連携を促進し、タイと日本の教育旅行のさらなる発展に向けた取り組みを進めていきます。 

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