日本アセアンセンターは、MATRADE東京事務所と連携し、2025年9月17日から20日まで開催されたマレーシア国際ハラールショーケース(MIHAS)2025において、「アセアンパビリオン」 を開設しました。
本パビリオンは、マレーシアのアセアン議長国テーマ 「包摂性と持続可能性」 に沿って企画され、アセアン加盟9か国から19の企業が出展し、地域の多様性、創造性、そして起業家精神を発信しました。出展企業の多くは、ハラール輸出に対応可能な中小企業であり、女性主導または地域コミュニティを基盤とする事業者が中心です。彼らは、伝統と革新を融合させた製品を通じて、グローバル市場の最新トレンドに応える姿勢を示しました。この取組により、ASEAN域内の中小企業が国際的なプロモーション、ネットワーキング、そしてビジネス拡大の機会を強化するための統合的なプラットフォームが形成されました。
出展企業一覧
- ブルネイ・ダルサラーム:A. Ayam Berjaya Sdn Bhd(Skinny Meal)
- カンボジア:City Rice Import Export Co., Ltd/Barimex Express & Supply Chain Co., Ltd.
- インドネシア:Yagi Forest/CV Srikandi Ayu/PT Andara Cantika Indonesia
- マレーシア:Pisango Sdn Bhd/POPSMALAYA
- ミャンマー:Ngwe Larb Minn/Dakhina Meat Export Co., Ltd.
- フィリピン:Fruits of Life, Inc./MOOD FOOD
- シンガポール:Cat & The Fiddle Pte Ltd
- タイ:Nopphada Superfoods Co., Ltd./Sukantha Thai Snack Co., Ltd./Ereky Co., Ltd.
- ベトナム:HTX Ha Noi Xanh/Nichirei Suco Vietnam Co., Ltd.
これらの企業は、高品質なハラール認証製品を幅広く紹介しました。高級米、加工食品、スナック類からスーパーフード、飲料、ライフスタイル製品に至るまで、多様な商品を通じて、ASEANが世界のハラール産業において信頼される供給地域であることを示しました。
アセアンパビリオン開設式(9月18日)
9月18日に行われた開設式には、アセアン加盟国、日本、マレーシアの関係者が多数出席し、MATRADE CEOのYBhg. Dato’ Sri Mohd Mustafa Abdul Aziz氏およびマレーシア国際貿易産業省アセアン経済統合局の局長 Sugumari S. Shanmugan氏が参加しました。 式典ではリボンカットの後、関係者や報道関係者に向けてパビリオンのガイドツアーが行われました。本パビリオンは、アセアン、日本、マレーシア間の貿易・投資・イノベーション連携を強化する場ともなり、マレーシアのアセアン議長国としてのビジョンである「地域のハラール・ハブ化」の推進にも寄与しました。

MIHAS公式開会式(9月19日)
9月19日、日本アセアンセンターの事務総長 平林 国彦およびセンター代表団は、マレーシアのアンワル首相が主催したMIHAS公式開会式に出席しました。 アンワル首相は基調講演で、マレーシア企業に対し、国際競争力を維持するために貿易分野でのデジタル化を積極的に推進するよう強く呼びかけました。
また、MATRADE会長Dato’ Sri Reezal Merican Naina Merican氏 がアセアンパビリオンを訪問し、各出展ブースを視察しました。アセアン出展者は、小売業者、流通業者、投資家、ハラール認証機関などとのB2Bネットワーキングを展開し、食品、飲料、ライフスタイル分野におけるアセアンのイノベーションを紹介する製品デモンストレーションも実施しました。これらの取り組みは、世界の消費者ニーズに応じてアセアン企業の国際的な競争力と存在感を一層高めるものとなりました。


今後の展望
MIHAS 2025におけるアセアンパビリオンは、日本アセアンセンターとして初めての試みであってアセアン加盟9か国から企業が参加した出展企画となりました。初の試みながら、出展者から高い評価を得るとともに、このような複合型パビリオンの有効性を示す成果となりました。
また、本パビリオンはアセアンのハラール製品を紹介するだけでなく、地域全体としてグローバルなハラール経済における役割を強化するという共同の意思を改めて示しました。地域産品や持続可能性を重視する中小企業を支援することで、包摂的な成長、国境を越えた連携、そして長期的な市場アクセスを促進するプラットフォームとして機能しました。日本アセアンセンターは、今回の成果を踏まえ、今後もアセアン企業の国際展開を支援するとともに、日本とアセアンの貿易・投資協力を一層強化し、より包摂的で持続可能な地域の未来の実現に貢献してまいります。