ASEAN日本センターは、マレーシア投資開発庁(MIDA)と共催で、2025年11月27日に「半導体化学領域の開発プログラム」を都内で開催しました。
本プログラムは、マレーシアの最新の産業動向、ビジネス機会、そして半導体および化学産業におけるエコシステムの強みを日本企業に紹介することを目的として、半導体関連技術、化学技術に関心を持つ日本企業、業界団体から33社・団体の参加がありました。
セミナーの主な内容
開会挨拶
日本アセアンセンター 事業部長 チャイラット・リアンカジョンキャット氏は、サプライチェーンの強靭化が求められる中、特に半導体および化学分野におけるマレーシアと日本の協力がますます重要になっている点を強調し、これらの分野は、マレーシアの「国家半導体戦略(NSS)」および「新産業マスタープラン(NIMP)2030」の下で大きく注目されていると述べました。


MIDAによるプレゼンテーション:SemiconBridge Synergy Development Programme
MIDA 電気・電子(E&E)部の副部長 Zetty Hamimi Zakaria 氏より、半導体化学領域の開発プログラムの紹介が行われ、以下の内容が説明されました。
- 世界第6位の半導体輸出国としてのマレーシアの地位
- フロントエンド・バックエンド両工程で拡大する半導体関連能力
- ペナン、スランゴール、ジョホール、ネグリ・センビランに形成される強力な産業クラスター
- 外国直接投資(FDI)を中心に増加するE&E分野の投資承認額
- IC設計、先端パッケージング、装置のローカリゼーション、スペシャリティケミカル分野などのビジネスチャンス
- 税制優遇、インフラ整備、イノベーション促進プログラムなど政府の支援策
また、マレーシア化学産業ロードマップ(CIR 2030)に基づく事業機会、とりわけ半導体製造を支える電子・高機能化学品の分野についても紹介がありました。
マレーシアでのビジネス経験:日本発条株式会社
自動車製品メーカーである日本発条は、同社のマレーシアにおける長年の製造経験を共有しました。
- ネグリ・センビランで30年以上にわたり、金属系プリント配線板(PWB)や金属基板(IMS)を製造
- 政治的安定性、豊富な人材、英語力、政府支援などマレーシアのビジネス環境の強み
- EV、家電、再エネ分野などで需要が高まる高性能基板への対応として、2024年に新棟を完成
同社は、日本企業が半導体材料・部品分野で事業拡大を図る上で、マレーシアは最適な拠点であると説明しました。
EcoWorld:持続可能な工業団地
EcoWorld のゼネラルマネージャーである Dato’ Ho Kwee Hong 氏は、同社の工業団地・ビジネスパーク開発について紹介しました。
- 軽工業・中規模産業向けに設計された Eco Business Parks
- サステナビリティを重視したインフラ、施設
- ライセンス取得支援、人材採用支援、改修アドバイス、奨励案内などのワンストップサービス
- 高速道路、港湾、空港へのアクセスに優れ、効率的な物流を実現
- とくにジョホールやネグリ・センビランの開発は、日本企業のASEAN展開に適した選択肢
今後の展望
日本アセアンセンターおよびMIDA東京事務所は、今後も連携しながら、マレーシアの高付加価値投資機会を日本企業に積極的に紹介していきます。