国際機関日本アセアンセンター(AJC)は、このたび「日本-ASEANヤング エキスパートフェローシップ プログラム2025–2026」に選出された4名のフェローを発表いたします。
本フェローシップは、ASEAN加盟国および日本の有望な若手研究者を対象に、小規模研究助成および国境を越えた学際的な交流の機会を提供するものです。フェローは日本-ASEAN関係の未来を形作る重要な課題に関する研究として、経済協力、デジタルイノベーション、持続可能性や気候変動対策などのテーマを探究します。
フェローによる研究成果は、2026年3月までに開催されるAJC主催のウェビナーにて発表され、同時期に政策的に有益な研究報告書としても公開される予定です。
今回選出されたフェローの方々に心よりお祝い申し上げるとともに、より持続可能で包摂的な日ASEANの未来に向けた貢献を期待しています。
フェロー紹介

キャサリン・セティアワン 氏
研究テーマ:AIガバナンスとデジタル貿易 ― 日本からASEAN地域への教訓
キャサリン・セティアワン氏は、米国コーネル大学にてUSAID Prestasi全額奨学金の支援を受け公共政策修士号を取得。また、インドネシアのペリタハラパン大学にて法学士号を取得しています。現在、「AIガバナンスとデジタル貿易」に関する研究に従事。これまで、グローバル責任あるAI指数のカントリーリサーチャーや国際電気通信連合(ITU)のAIとジェンダー関連プロジェクトのコーディネーターを務めました。研究関心は、主に東南アジアにおけるデジタル政策、とりわけAIと貿易協定に関連する分野にあります。仕事以外では、旅行、読書、ヨガや瞑想が趣味です。

マーク・ブライアン・マナンタン 氏
研究テーマ:日本からASEANへのAI協力強化に向けた人材育成の戦略
マーク・ブライアン・マナンタン氏は、米国ハワイ州ホノルルにあるパシフィック・フォーラムにて初代「サイバーセキュリティおよび重要技術」ディレクターを務めています。同氏は、Cyber ASEAN能力構築プロジェクト(2022–2024)、日米・米韓のサイバーセキュリティおよび重要技術協力(2021–2024)、日米豪のAIに関する三者安全保障対話(2022–2024)、インド太平洋重要技術フォーラム(2023–2025)など、幅広い国際的取り組みを主導してきました。
マナンタン氏は、ユネスコ「AI Experts Without Borders」のメンバーであり、オーストラリア国立大学フィリピン研究所の諮問委員も務めています。現在は、CI-ISAC Internationalのアジア太平洋地域シニアアドバイザー兼責任者であり、また台湾・国立政治大学東南アジア研究センターの客員フェローでもあります。これまでに、防衛研究所(日本防衛省)、ジャパンファウンデーション、イースト・ウエスト・センター(ワシントンDC)での研究フェロー経験を有します。研究成果は、『Australian Journal of International Affairs』『Asian Politics and Policy』『Issues and Studies』『The Cyber Defense Review』『East Asia Forum』などに掲載されています。

ハンガ・プリハトマジャ 氏
研究テーマ:インドネシア林業分野におけるカーボントレード市場開発に関する日本の取り組み
ハンガ・プリハトマジャ氏は、持続可能性認証プログラム監査や気候変動緩和コンサルタントとして13年の経験を有し、現在は京都大学大学院にて地球環境政策の博士課程に在籍しています。同氏は、科学技術振興機構(JST)のフェローおよび三菱UFJ信託財団の奨学生として支援を受けています。また、森林・農業・SDGs・気候変動緩和・適応に関する研究・コンサルティングを行うセミスタートアップ「MIDORI Forestry」を設立しました。

アルファン・プレセカル 氏
研究テーマ:人工知能時代における重要インフラのサイバーセキュリティ準備状況に関する研究
アルファン・プレセカル氏は、インドネシア大学工学部電気工学科コンピュータ工学専攻の助教授であり、同大学のインドネシア・サイバー認識・レジリエンスセンター(id CARE UI)のメンバーでもあります。
インドネシア大学でコンピュータ工学の学士号を取得後、東京工業大学の「Young Scientist Exchange Program」に参加。その後、ロンドン大学インペリアル・カレッジでセキュアソフトウェアシステムの修士号を取得。さらにオランダ・デルフト工科大学にて博士号を取得し、サイバーレジリエント送電網研究グループに所属し、高度持続的脅威(APT)検知とサイバー物理システムの相関研究に従事しました。
博士課程中には、HVDC-WISEやCOCOONといったEU Horizonプロジェクトに貢献。2025年、『IEEE Transactions on Smart Grid』に掲載された論文が優秀論文賞を受賞しました。研究関心は、サイバーセキュリティ、オペレーショナルテクノロジー、人工知能、サイバー物理システムなど多岐にわたります。