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事業紹介

概要

日本アセアンセンターでは設立以来、主要貿易促進事業として貿易展示商談会を開催し、ASEAN諸国の魅力的な商品を日本に紹介する活動を行ってきました。2016年度に、センターでは事業を拡大し、現在では、研究・政策志向の事業や能力開発事業を通して、ASEAN諸国から日本への輸出促進に努めています。

サービス貿易の促進

本事業は、サービス貿易がASEANの統合推進に重要であることをふまえ、特に経済の競争力の主な源である生産者サービスに重点を置き、センターが2016年度より実施している地域的枠組みの事業です。

センターでは2016年度より、7つのサービス分野(①プロフェッショナル・サービス、②研究・開発サービス、③電子通信サービス、④コンピューター関連サービス、⑤クーリエ・サービス、⑥運送サービス及び⑦観光サービス)について政策提言書を発行し、4回のセミナーを実施しました。セミナーで議論された政策提言を盛り込んだ、各サービス分野での貿易促進についての提言書は、センターのホームページに掲出しています。提言書が広く関係者に共有され、ASEANサービス貿易枠組み協定(AFAS)やASEANサービス貿易協定(ATISA)の領域において、ASEAN経済共同体の統合プロセスに貢献することを期待しています。

2018年度は、サービス貿易促進事業の次の段階として、保健、教育及び環境の社会サービスに注目します。各サービスについて提言書を用意した後、セミナー/ワークショップを行う予定です。また、既に調査した7つのサービス分野のフォローアップとして、ASEAN諸国に提言した政策について、提言書発行並びにセミナー実施以降の進展について評価します。また、センターはASEAN地域におけるサービスの自由化促進に寄与すべく更なる政策提言を考案するため、予備研究として既に調査したサービス分野の一つに焦点を当て、制限措置ついての情報収集を行います。

日 ASEAN間の新たな貿易形態の促進

親会社・子会社の関係ではなく、契約に基づき取引を行う非出資型(NEM)国際生産及び同形態での貿易は、近年、貿易の在り方の世界的トレンドとなっています。このタイプの企業運営は地域統合に寄与するため、センターでは日本とASEAN諸国間における同貿易形態の規模を測り、状況を把握し、NEMによる利益を最大化しリスクを最小限に留めるための政策提言をすることにより、同貿易形態の促進を図ります。

本事業は2016年度に開始した複数年に亘る地域的枠組みの事業です。既に実施したフィリピン、ミャンマー及びベトナムに関する調査に続き、2018年度にはラオス、タイ、カンボジア及びマレーシアが調査対象となります。事業の一環として実施される一連のセミナーでは、ASEAN諸国が各国のNEMの現況についての調査結果や政策提言のみならず、データの収集方法について議論します。また、本事業では、NEMの中でも国際的な下請け、フランチャイズ契約、契約農業及びライセンス契約に着目します。

本事業では、合計10本の国別調査報告書を発行し、各報告書に基く10回のセミナーを開催することを予定しています。これらを通し、ASEAN地域におけるNEMに関連した課題を特定し、成果が全ての関係者に共有されるよう、また、貿易におけるNEMに係る適切な政策策定に向けて、啓発を行っていきます。

クリエイティブ産業における貿易促進

センターでは、ASEAN諸国のクリエイティブ産業振興事業として、公益財団法人日本デザイン振興会(JDP)とともに、2年間に亘る地域的枠組み事業「グッドデザイン賞:ASEANデザイン・セレクション」を立ち上げました。本事業は、経済成長著しいASEAN諸国と、グッドデザインの考える「よいデザイン」の価値観を共有するとともに、ASEAN諸国の零細・中小企業におけるデザインスキルの向上を支援、新しい価値の創造、デザインによる社会課題の解決や伝統の継承、並びに産業の成長を提案することを目的としています。2017年度には、ASEAN全10か国に、デザインの専門家であるグッドデザイン賞審査委員またはグッドデザインフェローを派遣、セミナー並びにワークショップを開催し、ASEANデザイン・セレクション認定候補の予備選考を行いました。2018年度には、同候補製品/サービスに対し、「グッドデザイン賞」としての最終審査を東京で実施しました。その結果、応募総数261件のうち、22件がグッドデザイン賞ASEANデザイン・セレクション受賞となり、さらに、その中から、CVピランティ・ワークス社(インドネシア)が考案した竹の自転車がグッドデザイン賞ベスト100となり、なおかつその中でも金賞を受賞しました。また、受賞製品/サービスの展示会も東京で開催しました。本事業を通し、センターでは持続可能な開発目標達成に向けて、産業の発展、ライフスタイルの向上と社会問題を解決するツールとして、デザインを次世代に継承することを支援します。

輸出能力強化

本事業は、2016年度より実施しているCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)を対象とした地域的枠組みの事業です。製品開発、情報共有、専門知識及び日本への輸出ビジネスに係る知的創造を強化することにより、CLMV諸国における民間部門の輸出能力を向上させることを目的としています。また、参加者が成功事例を共有することにより、CLMV諸国が直面する主要な課題に対処することを目指します。

本事業では、3-5日間のワークショップ/セミナーを毎年1カ国、4年に亘り全てのCLMV諸国で行う予定です。センターでは2016年にはカンボジア、2017年度にはラオスで、CLMVの当局者や専門家を招き、農業・食品関連製品のワークショップを開催しました。その結果、カンボジア及びラオスでのワークショップ参加者のうち、約1/4が日本への製品の輸出を開始、輸出額を増加させました。2018年度にはミャンマーでワークショップを実施します。

日本企業を対象とした輸入能力強化

本事業では、ASEAN諸国からの輸入に関する情報を日本企業に対して提供します。アセアンホールを主な会場とし、ASEAN諸国からの輸入促進セミナーを実施します。