(業種による特別の条件は付録2「奨励対象業種表」の各業種の条件の部分を参照)
(1) 国籍には関係なく奨励が与えられる。
(2) 奨励は奨励対象業種(タイの産業発展に資するものを選定)に与えられる。
この業種表にないものも委員会へ申請することにより、タイの産業発展に資するものであれば追加される。
(3) 当初の投資額は土地代と運転資金を除き100万バーツ以上であること。
(4) 操業当初の負債の額は登録資本金の3倍以内であること。
プロジェクトを拡大する場合はケースバイケースで委員会が判断する。
(5) 近代的な生産方法および新しい機械を使用すること。
中古機械の場合は信頼すべき機関がその能率を保証したもので、委員会が同意を与えたものでなくてはならない。
10年を超える中古機械については19. において詳述する。
(6) 合弁の規準
(イ)農業、畜産、漁業、採鉱と鉱山業および「1999年外国人事業法」別表1のサービス部門と同一の業種はタイ国籍者が持分全体の51%以上を保有しなければならない。
(口)製造業は外国籍者が持分の大部分または全部を所有することができる(2000年7月31日以前に奨励申請された事業については、第3ゾーンは100%外資が認められていたが、第1、2ゾーンは輸出比率により出資比率が定められていた。その制度は2000年8月1日以降の申請分から撤廃され、立地による出資比率の条件は撤廃された)。
(ハ)特に理由がある場合、委員会は特定の業種に限り外国籍者の持分比率を定めることができる。
(7) 20%以上の付加価値を付けること。
ただし、電子製品および部品、農水産業および農水産加工品、投資委員会が特別に同意を与えたものは例外。
(8) 1千万バーツ以上の投資(土地代と運転資金を除く)規模の場合、操業開始後2年以内にISO9000またはそれに相当する国際基準の認定を受けること。
これが実行できない場合、法人所得税の免税期間を1年間短縮される。
(9) 奨励は法人が営む事業にのみ与えられる。
申請段階では個人の名義により申請可能であるが、認可を受け、正式に奨励証書の発給を受けるときまでに法人を設立し、法人名義で奨励証書発給申請を行う。
(10) 登録資本金は操業開始までに100%払い込むこと
タイの会社法では、非公開株式会社は各株式について25%以上の払込が行われれば会社登記は可能であるが、BOIの場合は、操業開始までに100%払込むことが条件となっている。タイの場合、日本の授権資本制度と異なり、定款に記載された株式数を設立時に全部発行、各株式について25%以上払込が行われれば会杜は成立し、後は取締役の請求により残額を払込む制度となっているので注意すること。
(11) フィージビリティー・スタディ
投資金額が5億バーツ(土地代と運転資金を除く)以上の場合、投資奨励申請に当たってはフィージビリティ・スタディの報告書を添付しなければならない。フィージビリティ・スタディの規定は、付録5の「5億バーツ以上(土地代及び運転資金を除く)のプロジェクト認可の検討のために必要とされる可能性調査(Feasibility Study)報告書の規定」を参照。
(12) その他の条件
特典の条件として守るべき条件は全て奨励証書に記載されているが、上記以外のものを挙げると以下の通りである。
(イ)奨励証書に記載された品目の製造または役務のみの提供を行うこと。
例えば異なる品目を追加するときは、BOIの認可を受けなければならない。
(口)奨励証書に記載された製品、役務の数量までは法人所得税は免税となるが、それを超えた数量に対する利益は、課税対象となる。従って、超える恐れがある場合は数量の変更の許可を受けること。
(ハ)特典により取得した土地、特典により輸入税減免を受けた機械・設備、原材料は原則として奨励を受けた事業にのみ使用すること。別の用途に使用する場合はBOIに許可申請すること。