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マレーシアの投資ガイド Country Profile and Investment Guide (Malaysia)

第9章 インフラ整備

1. 工業用地

1.1 工業団地

マレーシアには、州経済開発公社(SEDC)、地域開発庁(RDA)、港湾当局、地方公共団体など政府機関によって開発された工業団地が200以上あります。さらなる工業団地への需要増に応えるために新たな工業団地が次々と計画されています。政府機関以外にも、民間開発業者がいくつかの州で工業団地を建設しています。

価格や賃貸の取り決めは、場所によって異なります。

1.2 自由工業地域

自由工業地域(FIZ)は、主に輸出用製品の生産や組立を行う製造会社のために特別に設けられた地域です。

自由工業地域においては、輸出志向企業は、生産活動に直接必要な原材料、コンポーネント部品、機械設備の輸入について税関手続きが簡素化され、また輸入税の免除が受けられます。さらに、完成品の輸出にあたっても手続きが簡素化されています。

現在までに、スンガイエウェイ、ウル・クラン、キンタ、ジュラパンⅡ、プライ、バヤンラパス、サマジャヤ、トゥルックパングリマ・ガラン、プリンギットI、プリンギットII、プリンギットIII、タンジョンクリン、パシールグダン、プラウ・インダ、バトゥ・ベレンダンの15ヶ所に自由貿易地域が設けられています。

申請資格

下記の企業は自由工業地域に立地することができます。

  • 生産のすべてか、製品の80%以上が輸出されること。
  • 原材料やコンポーネントが主として輸入品であること。しかしながら、政府は自由工業地域に立地する企業であってもマレーシア国内の原材料やコンポーネントをより多く使用するように奨励しています。

1.3 保税工場

自由工業地域の設置が現実的でないか望ましくない地域では、企業毎に保税工場(LMW)の資格を取得することができます。保税工場には、自由工業地域で操業する工場と同様の便益が与えられています。

申請資格

保税工場に認定される条件は通常下記の通りです。

  • 生産のすべてか、製品の80%以上が輸出されること。
  • 原材料やコンポーネントが主として輸入品であること。

関税の支払い

自由工業地域や保税工場から海外に輸出される製品には関税は課せられません。しかし(タバコ、酒、自動車車両を除く)、製品を主関税地域(PCA)と呼ばれる国内市場で販売することが認められた場合は、出荷にあたって下記の関税が課されます。

  1. 主関税地域でも生産されている消費財や中間財の場合は、アジア自由貿易区(AFTA)のアセアン共通実効特恵関税(CEPT)の税率が課せられます。
  2. 主関税地域でも生産されているが、現地調達率が51%以上の消費財や中間財の場合は、5%の従価方式輸入税か該当する物品税率(物品税対象の製品の場合)のどちらか高い税率が課税されます。
  3. 主関税地域で生産されていない消費財や中間財の場合は、3%の従価方式輸入税が課せられます。
  4. 主関税地域に所在する製造業者であっても、使用される原材料やコンポーネントなどの中間財、機械設備などを輸入する場合は、輸入税の全額免除を申請することができます。

2. 電力供給

マレーシアには十分な電力供給があります。国営電力会社であるテナガ・ナショナル(TNB)は、マレーシア半島で電力供給を行い、東マレーシアではサバ電力公社(SESB)とサラワク電力供給公社(SESCO)がそれぞれサバ州とサラワク州に電力供給しています。

送電電圧は500kV、275kV、132kVで、配電電圧は33kV、22kV、11kVと、三相415Vか単相240Vです。周波数は50Hz+/-1%となっています。

テナガ・ナショナル(TNB)は、多様な形態でのエネルギーを必要とする特定の産業のために、総合的なエネルギー・サービスとして、蒸気や冷却水とパッケージで電力を供給することも行っています。

クリム・ハイテク・パーク(KHTP)では、最も高度なシステムであるリング配線電気供給システムにより、域内での継続的な無停電電力供給を保証しています。この保証された安定電力供給は、ハイテク事業が必要とする厳密な電力変動許容基準を満たしています。このことはハイテク産業の発展を推進しようという政府の取り組み姿勢を示すものです。

3. 水供給

2005 年初頭に、マレーシア憲法が改正され、マレーシアにおける上水道とそのサービス業務は連邦政府と州政府の共同責任のもと行われることになりました。水道局や各州の上水道事業の運営と配水を担う企業を管理するため、国家水道委員会が設立準備段階にあります。整備された上水道の配備は、消費者、投資家、運営者のためになるよう、水道産業の効率性と長期的な持続可能性を促進するのに役立つでしょう。マレーシアの消費者は水道供給を24時間受けることが可能で、水量と水質の面においても安心で安全です。水道水は、世界保健機構(WHO)の飲料水の国際基準に沿って処理されています。家庭用、工業用の水の消費は、メーターにより使用量が計測されています。水の価格は相対的に低い水準にありますが、州によって異なります。(詳細はマレーシア工業開発庁(MIDA)の資料「マレーシア‐ 事業を行う際に必要な費用」の水道料金を参照)。

4. 通信サービス

マレーシアの5社の通信ネットワーク・サービス・プロバイダーによって提供される、マレーシアの固定電話、携帯電話通信、および衛星コミュニケーションのインフラは、音声・画像・データおよびその他の先端的な通信サービスを網羅した、あらゆる国内・国際サービスをサポートしています。

現在では、1,300万人以上が携帯電話サービスに加入しています。固定電話線と携帯電話による通信は、VSATと衛星を利用した陸上・海上サービスにより拡大しています。

6つのインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)があり、合計320万人の加入者を抱えています。大手のインターネット・サービス・プロバイダーは 58%のマーケットシェアを持つTM Netと、23%のマーケットシェアを持つJaringです。通信インフラは、音声やデータ送信の際に大容量と高スピードを提供するために、光ファイバー、SDH、ATM、ADSLやその他拡張無線帯域を配備した近代的で完全にデジタル化されたネットワークを利用し、あらゆる音声・データ・画像サービスを提供しています。現在マレーシアでは、40GB以上のインフラによりサービスが提供されています。マルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)では、10GB容量の帯域が提供されています。

マレーシアは、FLAG、SE-MA-WE、APCN、中国-アメリカ、日本-アメリカ、Measat、Intelsatなどの光ファイバーと衛星を通じ世界と結ばれています。ブロードバンドへの高まる需要を満たすため、ADSL、IP、VPNそしてATMのような中レベル・高レベルの技術が、全国に急速に普及しつつあります。

現在マレーシアは、市内・国内・国際回線やリース回線に対して魅力的な料金を提供しています。域内ではインターネット・ダイアルアップおよび国際通信料金が最安の国の一つとなっています。

5. 航空貨物輸送

東南アジアの中央に位置しているマレーシアは、貨物の積み替えセンターとして最適の立地条件を備えています。特にマレーシア国内にある5つの国際空港の航空貨物取り扱い設備は非常に充実したものです。

セランゴール州セパンにある高度に洗練されたクアラルンプール国際空港(KLIA)は、年間2,500万人の旅客と65万トン以上の貨物の取り扱い能力を有しています。

25,000エーカーの土地を有するKLIAは、2020年までには年間6,000万人の旅客と300万トンの貨物を、さらに将来は年間1億人の旅客と500~600万トンの貨物に対応できるよう拡張することが計画されています。

その他の国際空港としては、ペナン国際空港、ランカウイ国際空港、ジョホール国際空港が半島マレーシアにあります。サバ州にはコタキナバル国際空港、サラワク州にはクチン国際空港があります。

マレーシアのナショナル・キャリアであるマレーシア航空は、100%子会社であるマスカーゴ(MASkargo)を通じて航空貨物サービスを提供しています。

マスカーゴは、クアラルンプール国際空港の自由商業地域(FCZ)内で先進的なカーゴ・センター(ACC)を運営しています。このセンターの特徴は、高感度で精巧な保安システムを備えていることと、最新の技術により完全自動化手続き、リアルタイムのデータ追尾、スムーズな通信などの最新の技術を備えていることです。センターの設備のなかには、動物用保管・宿泊施設や腐敗防止設備を備えた倉庫などもあります。さらには主要な通関業者のための世界で初めての優先ビジネスセンター(PBC)を運営しています。

マスカーゴは、国内の空港間のトラック輸送サービスを行っています。またドバイ、アムステルダム、フランクフルト、大阪、台北、上海の甫東、香港、ダッカ、メルボルン、パースおよびジャカルタなどの都市にむけて貨物専用便を運行しています。最近マスカーゴは“I-Port”という港での船荷の積み替えに空港を利用する世界で初めてのシステムを開始しました。これは船舶輸送と航空輸送をマレーシアの港湾と空港をクアラルンプール国際空港経由で結びつけることにより効率よく組み合わせたシステムです。

さらに、マレーシア航空は世界6大陸の100ヶ所の国際空港に航空貨物を運んでいます。世界各地への輸送を迅速にするために他の航空会社と提携しています。さらなる詳細については、マスカーゴのホームページ(www.maskargo.com)をご参照ください。

また、トランスマイル・エア社による9つの国内航空貨物路線と、バンガロール、マドラス、マニラ、ジャカルタ、深?の5ヶ所への国際定期便サービスが、マレーシアの航空貨物輸送サービスを補っています。

6. 港湾

運輸省の管轄下には、7ヵ所の主要な連邦国際港があります。6つの港は半島マレーシアにあり、クラン港、ペナン港、パシル・グダンのジョホール港、タンジュン・プラパス港、クアンタン港、ケママン港です。もう一つの港はサラワクにあるビンツル港です。

ビンツル港は国内初の液化天然ガス用の港です。また、ケママン港は石油会社の様々な物資に対するニーズを満たす供給基地となっています。

すべての港には近代的な施設や設備があり、コンテナ貨物やドライバルク貨物などを含むあらゆる種類の貨物輸送やその関連活動を円滑にしています。

港湾に関する政府の政策は下記の通りです。

  • 船の混雑と待ち時間をなくすため十分な取り扱い能力を港湾に備えるべく、処理能力の強化に重点を置くこと。
  • 港湾のハブ化。すなわちクラン港はマレーシアの貨物集積・配送センターとなっています。他のマレーシアの港から来た貨物がクラン港に集約されフィーダー港としての役割を果たしています。
  • マレーシアの南部地域における、積み替えハブとしてのタンジュン・プラパス港の開発。

7. 貨物運送

多数の会社が、包括的なコンテナー貨物運送サービスを提供しています。これには、コンテナー運送、貨物輸送、倉庫、燃料供給、流通関連サービス、港湾通関手続き、コンテナー修理、リース、メンテナンスなどのサービスが含まれます。

荷受人やサービスの利用者は、各社の支店や事務所のネットワークを通じた迅速かつ効率的で、信頼性の高い貨物輸送を利用することが可能です。また、多くの会社が自社代理店のネットワークを通じた世界的なサービスを提供しています。

7.1 コンテナー輸送

マレーシア政府は起業家育成省の商業用車両ライセンス局(CVLB)を通じて、国内のコンテナー輸送をコントロールしています。

62社のコンテナー運搬業者が、特殊仕様車を含む多種多様のトレーラーや原動機などを備え、多様な貨物のニーズに応えています。一部の業者は運搬中の車両との連絡を可能にするため、近代的な無線システムを備えています。

その他多数の中小運送業者が、通常貨物を国内の配達先にトラック運送しています。また、特定地域間を結ぶ鉄道輸送サービスや、フレイト・ライナー・サービスが遠距離の顧客へのコンテナーを配送するサービスを提供しています。

このような複数の交通手段(陸路や鉄道)を組合せた運送システムが、迅速な貨物輸送を保証しています。

7.2 通運業務

数百社の通運業者がマレーシア国内にあり、全国的な通運サービスを提供しています。海外向けの貨物輸送は、多数の国際貨物通運業者に委託することができます。また、通運業者は関税局での通関手続きに必要とされる認可、ライセンス、関税免除措置の申請手続きを行い、製造業者をサポートしています。

8. 高速道路

マレーシア高速道路公社は、マレーシアの都市高速道路の計画立案、建設、規制、運営、メンテナンスを監督し、実行しています。快適な高速道路網は、すべての主要都市と開発予定地域を結び、効率的な交通を可能にすることによって工業成長を促進しています。

また、国家による民営化プログラムの成功は力強い経済成長と相まって、過去数年間さらに多くの高速道路開発プロジェクトを生み出してきました。

現在では、南北縦貫高速道路、ペナン橋、クアラルンプール – カラ間の高速道路は、マレーシア道路インフラの屋台骨となり、国家の急速な社会経済発展に貢献しています。

9. 鉄道サービス

半島マレーシアで操業するマラヤ鉄道(KTM)は、政府が完全所有する会社です。国内唯一で最大の輸送機関として、マラヤ鉄道は穀物から機械まで、多様な種類の物品を輸送することができます。

そのネットワークは、マレーシア半島の北部ターミナルであるバターワースから南部のジョホール州パシル・グダンそしてシンガポールに至るまで及んでいます。さらに北部路線は、ペナン島の埠頭や港湾設備と接続されています。

10. マルチメディア・スーパー・コリドー

マルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)は、情報通信(ICT)産業にとってアジアの中で最も魅力のある進出先です。1996年に構想が発表されて以来MSCはダイナミックに発展するICTのハブとして成長を続け、今日ではマルチメディア製品・通信関連製品、ソリューション、サービス、研究開発分野に約1,000社の多国籍企業、外国企業、国内企業が立地しています。

急成長を続けるアジアの中心に位置し750平方キロの面積を有するMSCには世界最高のインフラが整備されています。さらには操業中の会社はサイバー法、政策および実行面で保護され、絶え間ない技術革新が図られるよう支援されています。

2004年から2010年までのMSC次期展開計画のもと、MSCによるマレーシアの他の州への展開に基づいて、MSC 指定地域は、現在では「ペナン・サイバーシティー1」として知られるペナン島のバヤンラパス自由地域と、ケダのクリムハイテク工業団地も含むようになりました。両地域ともマレーシアの北部の州にあります。サイバーシティー・ステータスが認められたこれらの二つの地域は、MSCのパイロット・プロジェクトをモデルとしたダイナミックな州のICTハブとしても機能するようになっています。クアラルンプール内にあるKL Sentralは、都市部で初めて「サイバーセンター」のステータスが認められた地域です。MSC資格基準と実施基準を満たした国内の他の地域にも、MSCサイバーシティーまたはMSCサイバーセンターのステータスが、将来性に基づき与えられます。MSCステータス企業がその地域で操業するのにあったビジネス・生活環境を提供することが、その目的です。

MSCは成長力のある国際的なイノベーターや投資家に選択される進出先となっています。マレーシアのユニークな競争力は以下の点によるものです。

  • MSCへの投資に対する高度に競争力を有する一連の優遇策。
  • 個別に用意された優遇策と融資制度。
  • 開発に関連するマレーシア政府の強いリーダーシップ。
  • 急成長を続けるアセアン各国およびアジア太平洋市場へのアクセスが容易。
  • 交通渋滞も環境汚染もない事業環境。
  • 年間30,000人の短大・大学卒業生がICT関連学部から供給されることによる、質の高い、教育を受けた人材の確保。
  • マレーシア人の多言語、多文化能力。
  • 政治・社会の安定。
  • 質の高い生活。

MSC認定会社による多くの革新的な技術の開発に加え、MSCは以下の開発に取り組んでいます。

  • スマートカード技術。
  • スマートスクール。
  • 遠隔医療。
  • 電子政府。
  • 電子商取引。
  • 技術をベースにした起業家の育成。
  • 創造性のあるマルチメディア産業。
  • 支援サービスの共通利用および外部調達。

MSC構想を推進するのは強力なワンストップ・エージェンシーとして機能するマルチメディア開発公社(MDC)です。MDCはMSC構想の成功とMSC内で操業する企業の成功を保証することに焦点をあてています。

MSCに関する詳しい情報はMDC(Tel: 60-3-8315-8000 E-mail: info@mdc.com.my)にお問い合わせいただくか、MDCのホームページ(www.mdc.com.my)をご参照ください。