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事務総長 2021年新年のご挨拶

謹んで、新年のご挨拶を申し上げます。

日本アセアンセンターは、日本とASEAN諸国との貿易、投資、観光の分野における双方のパートナーシップの強化と人物交流の促進を目的に1981年に設立され、今年5月に40周年を迎えます。ひとえに皆様からのご支援、ご理解のおかげとセンター職員一同心より感謝しております。

2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、経済および私たち一個人の生活が大きな影響を受けました。引き続き、未知のウイルスを前に手探りの状態ではありますが、弊センターでは多くの事業をデジタル化させつつ、変化を前向きに捉え進んでおります。

弊センターが設立された1980年代初頭は、ASEAN地域内の政治・経済情勢は不安定な側面が多く、ましてや現在のようにASEAN諸国の情報を誰もが手に入れることができない時代でした。そのような中私たちは、日本とASEAN諸国が「心と心の触れ合う関係を築き対等なパートナーとして歩む」ことを目指して活動を始めました。当時、10:1であった日本とASEAN全体の名目GDPは、現在は2:1にまで縮まり、今後10年も経たないうちに、ASEANが日本を凌駕すると目されているほど、ASEAN地域の成長はダイナミックです。

その一方で、昨今、新型コロナウイルス感染症拡大により、サプライチェーンにおけるASEAN地域の脆弱性が広く指摘されるようになりました。弊センターでは、サプライチェーンの強化と再構築を求める声に速やかに応じ、ここ数年事業を通じて取り組んできたグローバル・バリュー・チェーン(GVC)の知見を活かし、報告書を作成しました。同報告書では、バリュー・チェーンのリスクの強度を算出することで脆弱な産業を特定し、ASEAN における強靭なグローバル・バリュー・チェーン構築を提案しました。(「Resilient Global Value Chains (GVCs) for ASEAN and its Relationship with Partner Countries」2020年月10発行)提案においては、新型コロナウイルス感染症による危機とその経済的余波に効果的に対処するには、一時的な解決策や保護貿易主義に頼るのではなく、リスク管理の改善、デジタルトランスフォーメーションの推進、危機に強い産業の振興等、全体のバランスに配慮したビジネス環境を維持することが重要という指摘をさせていただきました。

他方、昨年11月に開催された第23回日ASEAN首脳会議においては、弊センターを含む既存の協力枠組みなどを活用し、日ASEAN間で実施中のイニシアチブを推進していくことや、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」に記載された4分野(海洋協力、連結性、国連SDGs、経済等の分野)における強化を通じ、日ASEAN戦略的パートナーシップを一層強化することが謳われました。具体的に例示されている強化分野としては、海洋プラスチックごみ、人的連結性、ASEANにおける格差是正支援を含む持続可能な開発、デジタルエコノミー及び第4次産業革命、経済の強靱性、人材開発があります。いずれも、当センターが実施している事業のテーマでありますが、特に、海洋プラスチックごみ問題に関しては、現在、日ASEAN初の取り組みとなる学生共同プロジェクト「未来のリーダー達による国際海洋プラスチックごみに関する日 ASEAN 協力宣言」(2021年3月宣言式)を始動させ、ASEAN事務局からも期待がよせられています。

今後も、弊センターには、日本とASEANが対等なパートナーとして更なる関係発展を図るための役割が求められていると考えております。

2021年度も、今までにない挑戦が続くことと思われますが、設立当初より日本およびASEAN諸国の時代の変化とともにあった弊センターは、今後も、日ASEAN間の新たな課題への対応を軸に、日ASEAN間パートナーシップの一層の発展に更に寄与する所存です。本年も皆様方のご支援・ご指導賜りますよう、何卒お願い申し上げます。

一日でも早く落ち着いた生活を送れるようになることを祈りつつ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

2021年1月
国際機関 日本アセアンセンター
事務総長
藤田 正孝