第6章 企業設立の必要条件

企業の営業許可および登録

一般に、シンガポールに設立する企業の種類に制限はありませんが、銀行、金融会社、保険会社、株式仲介会社など、政府からの特別な営業許可を申請しなければならない場合もあります。そのような企業は、営業が開始できる前に営業許可を必要とします。

シンガポールのすべての企業は、企業登録局(RCB: Registry of Companies and Businesses)に登録しなければなりません。この必要条件は、外資系企業の名義人、管理者または代理人として事業を行うどの会社、個人または法人にも適用されます。

シンガポールに設立された外資系企業への現地株主所有権参加に対し、厳重な必要条件は存在しません。潜在的な海外投資家は、この件に関して経済開発庁(EDB)に相談することができます。

駐在員事務所の設立

駐在員事務所(RO)設備は、シンガポールでの営業活動の可能性を探る海外企業に対して開かれています。ROは、その親会社に代わり、その業務の促進と連携を行う営業活動に専念しなければなりません。駐在事務所による以下の事項は禁じられています。

  1. 貿易(輸入、輸出を含む)またはそれに関する営業活動に、直接または親会社に代わって従事すること
  2. 倉庫施設の賃貸。すべての商品の船積み、積み替え、保管は、その親会社の指定した現地の代理店または販売会社が行わなければならない。
  3. その事務所を他の組織に手数料を徴収して賃貸すること。
  4. 営業契約の締結、請求書および領収書の発行、信用状の開設および受理、親会社に代わる契約の締結または手数料を徴収してのサービスの提供

国際エンタープライズ・シンガポール(IEシンガポール)および金融通貨庁(MAS)は、シンガポールにおけるROの責任を負います。IEシンガポールは製造、貿易、貿易物流、貿易関連サービス部門のROの登録を行い、MASは金融関連部門のROの登録を行います。IEシンガポールは外国政府の貿易センターの登録も行います。

IEシンガポールへROの登録を申請したい企業は、シンガポールまたは海外のIEシンガポール事務所から駐在員事務所申請書のコピーを入手することができます。完成した申請書に次のものを添えて提出します。

  1. 申請企業の株式が公開されていない場合、親会社の会社設立許可書の証明された正確な写し(英語または正式に英語に翻訳されたもの)
  2. 親会社の過去3年間の年次報告書および決算報告書の写し
  3. 受取人が国際エンタープライズ・シンガポールの200シンガポールドルの小切手

すべての申請書には、CEOの署名または親会社の公認された署名が必要で、親会社の公印によって封印されなければなりません。また企業は、IEシンガポールへのROの営業地位を毎年更新しなければなりません。

RO設置を希望する外資系企業は、そのシンガポールでの営業活動を長期的に維持するために、合法的な企業体の企業登録局への最終的な登録が必要であることを承知しておかなければなりません。

企業の種類

シンガポールで事業を行おうとする者は、事業登記法(Cap. 32)または会社法(Cap. 50)に基づいた登録を行う必要があります。これら2つの法は、シンガポールにおける事業、会社についてそれぞれ規定しています。これらの法は、事業・会社登記所(RCB)によって管理されています。

シンガポールで登録の行える企業の種類は以下の通りです。

事業登記法に基づくもの:
(a) 個人事業
(b) 共同経営
会社法に基づくもの:
(a) 法人企業
(b) 外資系企業

個人事業および共同経営

すべての個人は、企業登記法に基づいて登録機関に登録を行った場合、自分自身の事業を開始することができます。

最大20人までが共同経営に参加することができます。それらの人々は登録機関に登録する必要があります。

他のいかなる法によって規定される職業のみで構成される事業(許可を得た鷹狩、流しのタクシーなど)は、この法に基づく登録は免除されます。

企業は、この法に基づいて容認される会社名で登録されるものとします。

個人事業および共同経営のみでは企業体ではありません。

個人事業および協同経営に関しては年次決算を行う必要はありませんが、3年ごとに登録を更新する必要があります。

 

法人企業

シンガポールにおける会社に関する法律の基本は、会社法(Cap. 50)です。この法の下では、覚書にその氏名を記載することにより、また登録の要求を満たすことにより、合法的な目的で関連のある2人以上による会社の設立が可能です。しかし、その目的が利益を実現することである組織、協会、組合が20人以上を有した場合、会社として登録することが義務付けられています。

法の下で設立が可能な会社は次の3種類です。

  1. 株式によって限定される会社:会社のメンバーの責任は、メンバーが所有する支払済み、未払いの(もしあれば)株式に限定されます。(これは、利益の獲得を目的とする事業を行うために設立された会社として通常の種類の会社です。)
  2. 保証によって限定される会社:メンバーの責任は、企業閉鎖の際にその企業の資産に個人的に貢献する額に限定されます。
  3. 制限のない会社:メンバーの責任は限定されません。

会社は、有限会社または株式会社のどちらでも可とします。株式資本を有する会社は、50以上の株主を持たず、株式譲渡の権利を制限しており、その株式、債権への出資あるいはその企業に対して預金を行うための株式公開への誘いを禁止している場合、有限企業として登録されます。それ以外の場合には、会社は株式会社となります。

有限会社は、社名の一部でかつ社名の最後に「Berhad」または「Limited」のいずれかの名称を持たなければなりません。有限責任会社は、「Sendirian」または「Private」の名称を「Berhad」または「Limited」の直前に挿入しなければなりません。あるいは無限責任会社の場合には社名の最後に「Sendirian」または「Private」がなければなりません。

株式会社は、法的必要条件に従って、その株式または債権への出資を一般募集できます。上場企業はさらに、株式取引の上場基準も満たさなければなりません。

有限会社が株式会社となるための条件および手続きは会社法に記載されています。

登録

会社法の下で会社の登録が行われるまでに終了しなければならない手続きの概要は以下の通りです。

  1. 会社名の認可申請は、企業登録局に対して行われなければなりません。
  2. 覚書および会社の定款は、登記の目的のために作成されなければなりません。覚書のための必要条件は、会社法の第22節で規定されています。
  3. 登録機関によって作成されなければならないもの:
    1. 公証人、弁護士または認証された会社の会計士による、覚書に対する登記係および引受人の身元保証書:様式7
    2. 会社の設立に従事する弁護士または会計士、あるいは取締役または書記として条項にある人物による、会社法の必要条件を満たすという遵法宣言書:様式6
    3. 会社の条項にある取締役または書記の言動に従うことに対する書面による合意:様式49、45/45A、45B
    4. 登録事務所の住所:様式44
  4. 必要な登録手数料が支払われること。
  5. 会社設立許可書が発行され次第、会社の取締役は以下を決定すること:
    1. 社印の採用
    2. 株式割り当て、など

外資系企業

すべての外資系企業は、シンガポールで事業の場所を確立あるいは事業を開始する前に、登記のために企業登録局に以下を届けなければなりません:

  1. 会社設立の証明された写しあるいは設立場所または出所の記録、またはそれと同様の効果をもつ書類
  2. 支部設立許可、法令または覚書、および条項または会社の組織を構成または定義する他の書類
  3. 会社の取締役、管理者、書記の登録に含まれる必要のある取締役について同様の項目を含んだ取締役の一覧:様式79
  4. シンガポールの居住者であり、国内の取締役会のメンバーである取締役が一覧に含まれる場合、外資系企業またはそれに代わる者によって正式に署名された、国内の取締役の権限について規定した覚書
  5. 外資系企業の公印またはそれに代わるもので封印された取り決め覚書または委任状で、その会社のメンバーとなるために必要とされるサービスの過程および通知をその会社のために受理することを認可された代理人として、シンガポールに居住する者2名以上の氏名、住所が記載されたもの。
  6. 登記事務所の住所:様式44
  7. 外資系企業の代理人によって作成された一定の書式での遵法宣言書:様式80

外資系企業は、土曜、日曜、祝日を除く毎日の通常の営業時間に、一般に公開され一般による利用が可能な登録事務所をシンガポールに持たなければなりません。

外資系企業の代理人は、会社法に基づき外資系企業によって行われる必要のあるすべての行為、事柄、事項に対しての責任を負い、また、これらの要求条件に違反した場合に外資系企業に課される罰則に対する責任を自ら負います。

外資系企業がシンガポールの支店を通して事業を行うと判断されるかどうかは、提出された事業活動の性質に依存します。

外資系企業は、シンガポールに銀行口座を維持していること、請負業者を通じて売上に影響を与えていること、資金の投資を行っていること、あるいはいかなる財産を所有しているという事実では、シンガポールで事業を行っているものとは見なされません。

外資系企業が「シンガポールで事業を行っている」かどうかを確定するためには、弁護士または公認会計士といった専門家からの助言を得ることが推奨されます。

シンガポールの会社法は、現地で必要とされる条件の若干の違いを除くと、登記、申告書の提出などの手続きの点で英国、オーストラリアの会社法と類似しています。会社の登記手続きを完全にするために、弁護士、会計士事務所のサービスを利用することが推奨されます。

取締役/書記

各会社は、自然人である取締役2名以上を有することが必要です。そのうち1名は通常シンガポールの居住者でなければなりません。また、自然人である書記1名以上を有する必要があり、その者はシンガポールが主なあるいは唯一の居住地でなければなりません。成人以外の者は取締役になれず、また70歳以上の者は、総会の出席者の4分の3による合意によって、株式会社あるいは株式会社の子会社の取締役にのみ任命されることが可能です。

会社は、会社法に規定された特定の限定された目的の場合を除き、所得税を免除された取締役に対する報酬の支払い、およびいかなる代表者への貸付はできません。

会社の登記料

会社の設立においてかかる登記料は、その会社の授権株式数によって決まり、会社法の表2に記載されています。

A) 現地に設立される会社の株式 登記料
10万シンガポールドルまで 1200シンガポールドル
10万1〜100万シンガポールドル 1200シンガポールドル+10万シンガポールドルにつき400ドル
(100万シンガポールドルまで)
100万1シンガポールドル以上 4800シンガポールドル+100万シンガポールドルにつき300ドル
(3万5000シンガポールドルまで)
B) 株式資本のない会社
一律600シンガポールドル。これは共同株式を所有する会社が支払うべき費用の半額。
C) 外資系企業
現地法人と同額。費用体系が適用されない場合には1200シンガポールドル。
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