第4章 労働法規および労使関係

一般的な状況

雇用の最低条件および労使関係については、雇用法(Employment Act)および労務管理法 (Industrial Relations Act)によってそれぞれ規制を受けます。組合と雇用主との間で協議されるサービスに関する追加条件は、労働協約に定められ、産業仲裁裁判所 (Industrial Arbitration Court)から承認を受けなければなりません。年次賃金調整についてのガイドラインは、政府、雇用主および労働組合の三者の代表によって構成される国家賃金評議会(National Wages Council; NWC)から推奨を受けます。これらガイドラインは、その遵守を強制されるものではありませんが、広く受け入れられています。このようにある一定の秩序に基づいて実施される賃上げで、産業界における平穏と調和が促進されます。

1968年に、産業界における平穏を助長し、労使双方の利権の均衡化を図るために、シンガポールの労働関係法規が政府によって統合され、改定されました。これら法律は、ストライキなどの争議行為ではなく、むしろ争議の和解と仲裁に重点が置かれてます。

1968年に施行された雇用法は、シンガポールに置ける労働環境と景気状況に基づいて発生するニーズの変化に対応できるように定期的に改定されています。シンガポール全国雇用者連合(Singapore National Employers Federation; SNEF)、全国労働組合評議会(National Trade Union Congress; NTUC)および政府の三者の代表者によって構成される委員会が見直しおよび勧告を行って、雇用法は1996年に改定されました。1996年3月1日から効力を発する主要な改定内容は、以下の通りです:

  1. 企業再編により発生する従業員の移動における移動先企業および移動者の責任と義務を再定義。
  2. 労働市場で長い間に確率された様々な手当金の支払い額算出法を合理化。これは、労使間あるいは雇用主と労働組合との間で不必要な争議の発生を防ぐことを目的としています。

景気の後退に対応するとともに、解雇される労働者数の増加を予想して、1998年2月に、解雇者三者委員会(Tripartite Panel on Retrenched Workers)が設置されました。同委員会は、雇用主に対して、解雇の代替策として、ならびに失業率を最低限に抑えるために、短時間勤務週間の導入、臨時レイオフの実施などの業務整理の実施について助言します。また同委員会は、解雇された労働者ができるだけ早期に次の就職先を確保できるよう支援します。

勤務条件

雇用法の第4部は、月給が1600シンガポールドル未満の作業員およびその他の従業員に対して適用される雇用条件を規定しています。雇用法では、標準週間勤労時間数を44時間と定めていますが、連続する2週間の勤労時間数合計を最大で48時間とすることを前提に、週間勤労時間数が44時間以下で、その翌週は 48時間に調整するなど、連続する2週の計が88時間以内となるべく勤務日程を柔軟に調整することを認めています。あるいは、従業員は、ある週の勤労時間を44時間以上とし、それ以降の3週間の平均勤労時間を44時間未満とすることも認められます。

従業員は、基本時間給の1.5倍の時間外勤務手当てを支給される権利、さらに週の休日に終日勤務した場合は、2日分の給与を支給される権利を有します。休日に実施された作業については、従業員は、当該出勤日の通常の給与に加えて、さらに1日分の給与を支給される権利を有します。超過勤務時間数は、1ヶ月に 72時間を上限とし、人材省(Ministry of Manpower)より事前に許可を取得している場合を除きます。入院治療を要する場合の従業員の年間病気休暇数は、14日です。入院治療を要する場合、外来治療のための疾病休暇を含めた入院治療日数を年間60日に延長することができます。年次有給休暇に関する規定が改善されて、就労初年度は一年間で7日間の有給休暇取得が可能になり、それ以降は最大日数を14日間として一年ごとに休暇日数が1日追加されます。

雇用法は、さらに有給の国家祝日休暇として、11日間の取得を定めています。解雇手当は、勤務開始より3年またはそれ以上が経過している場合に、支払われます。

賞与および年次補完賃金の支払いならびに年次賃金引上げに関する雇用法の規定が1988年に改定され、企業業績ならびに個人の勤務実績をこれまで以上に重視しながら企業による賃上げならびに様々な賞与金の支払いが柔軟に実施できるようになりました。

一般的な状況

雇用の最低条件および労使関係については、雇用法(Employment Act)および労務管理法 (Industrial
Relations
Act)によってそれぞれ規制を受けます。組合と雇用主との間で協議されるサービスに関する追加条件は、労働協約に定められ、産業仲裁裁判所
(Industrial Arbitration
Court)から承認を受けなければなりません。年次賃金調整についてのガイドラインは、政府、雇用主および労働組合の三者の代表によって構成される国家
賃金評議会(National Wages Council;
NWC)から推奨を受けます。これらガイドラインは、その遵守を強制されるものではありませんが、広く受け入れられています。このようにある一定の秩序に
基づいて実施される賃上げで、産業界における平穏と調和が促進されます。

解雇

雇用法は、契約の解消と、明示または黙示の義務の履行条件に違反する、対象となる従業員による不品行を理由とした従業員の解雇とを、明確に分けて規定しています。従業員が不品行を理由に解雇された場合、当該人物が正当な理由または弁解なしに解雇されたと判断するならば、当該従業員は、雇用法の第14条(2) 項の規定に基づいて元雇用主である企業での復職を果たすために、解雇されてから1ヶ月以内に、書面にて人材省に対して事実の表明を行い、人材省は、当該雇用主に対して当該人物の復職あるいは、あるいは直ちに当該人物に補償金支払いのいずれかを要請する。

パートタイムでの雇用

パートタイムでの雇用を促進するために、人材省は1996年10月1日に、雇用法に基づく雇用規則(パートタイム労働者)を導入しました。パートタイム労働者とは、週間勤務時間が30時間未満で、時間給を基準に定期的に勤務する労働者と定義されます。

パートタイム労働者の従業員諸手当は、基本的に雇用法の規定に準じて定められますが、同一の企業にて勤務する正社員と同様に、パートタイム労働者の年間契約勤務時間を基準に比例配分されます。

経営管理機能

労務管理法の第17条(2)項の規定に基づき、昇進、人事移動、新人採用、一時解雇または企業再編、解散、復職を理由とする雇用契約の解消、ならびに職務の割り当て、配置に関する事項は、団体交渉の対象外となります。

団体協約

新規の団体協約期間は、最低2年間あるいは最大3年間となります。団体協約は、産業仲裁裁判所による承認を受けた上で実施されます。賃金引上げに関係する事項については、当該裁判所は国家賃金評議会の勧告内容を考慮する場合があります。国家賃金評議会のガイドライン実施により発生する争議は、いずれかの当事者(雇用主あるいは従業員)によって産業仲裁裁判所に申し立てられます。その他の産業争議については、労使間が共同で当該裁判所に申請しなければなりません。

争議

協定不能の管理職を除いて、労使双方の当事者は、雇用条件または解雇条件、あるいは従業員の勤務条件などに関する事項について協議を自由に行うことができます。

産業仲裁裁判所が労働争議について認識した時点で、労働争議法(Trade Disputes Act)の第3条の規定に基づいて、ストライキまたは工場閉鎖は禁止されます。

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