第3章 税制

1. マレーシアの税制

マレーシア国内で獲得するまたはマレーシアを源泉とする、もしくはマレーシア国外を源泉としマレーシア国内で受け取とられた、法人を含む全ての個人の所得に対して、所得税が課されます。

しかし2004年賦課年度から、賦課年度にマレーシア国外を源泉とし、銀行、保険、空輸、海運事業を営む居住会社以外の個人によりマレーシアへ送金された所得は、非課税です。

税金制度の近代化と合理化のため、2000年から所得税は当期年度の所得に対して課税されるようになりました。賦課年度2001年には、企業に対して自己申告納税制度が実施され、賦課年度2004年からは、個人事業主、パートナーシップ、組合、給与所得者に対しても実施されています。

2. 課税対象所得

希以下の所得は課税対象です。

  • 規定遵守に関する宣言書(Declaration of Compliance)(書式6)。
  • 雇用から生じる収入および利益(給与、報酬など)
  • 配当、利子、または割引料
  • 賃貸料、ロイヤリティ、またはプレミアム
  • 恩給、年金、またはその他定期収入
  • その他所得とされる収益または利益

課税所得は、所得獲得の際に生じた経費、税制上の減価償却、該当する優遇措置などの調整後、算定されます。1967年所得税法第34条により、不良債権や貸倒れのための引当金が認められています。しかし、会計上の減価償却は、税務計算上は認められず、所定の「税制上の減価償却制度」が適用されます。2005年9月30日以降にパイオニア・ステータスが終了する企業を含め、繰越欠損金を次年度以降の所得と相殺するために、無期限に繰越すことができます。

3. 法人税

会社は、居住、非居住にかかわらず、マレーシア国内源泉所得が課税対象となります。銀行業務、保険事業、海運および空輸事業以外では、居住会社宛てに送金された国外源泉所得は免税となります。しかしながら業務の経営管理がマレーシアで行われている場合は、マレーシアの居住会社とみなされます。

居住、非居住会社を問わず、法人税率は28%です。石油開発事業を行う会社は38%の法人税率が適用されます。

4. 個人所得税

すべての個人は、マレーシア国内源泉所得またはマレーシアで受領した国外源泉所得に対して課税されます。しかし、非居住者の個人の場合は、マレーシア国内源泉所得のみが課税対象となります。1967年所得税法第7項で規定されているように、税率はマレーシア滞在期間による個人の居住形態によります。通常、暦年のうち182日以上マレーシアに滞在している個人は税制上の居住者とみなされます。

2004年賦課年度からマレーシア居住者たる個人により海外からマレーシアへ送金された所得は免税になりました。

4.1 居住者たる個人

居住者たる個人には、個人所得税控除後の課税対象所得に対して、累進税率0からの28%で課税されます。

4.1.1 個人所得税控除

居住者たる個人の課税対象所得は、総所得から個人所得税控除を差し引いて算定されます。控除とは下記の通りです。

  • 本人控除(本人が身体障害者の場合はさらにRM5,000の追加控除)。
  • 配偶者控除(配偶者が身体障害者の場合はさらにRM3.500の追加控除)。
  • 両親の医療費。
  • 本人、配偶者、子どもの重症な場合の医療費(RM500の検査費を含む)。
  • 身体障害者である納税者本人、配偶者、子ども、両親の介護機具の費用。
  • 18歳未満の未婚の子ども、または18歳以上で大学や短大に通う子どもに対する扶養家族控除。
  • 身体障害者である子どもに対してRM5,000の控除(2006年賦課年度から、子どもが18歳以上で大学や短大に通う場合は、さらにRM4,000の追加控除)。
  • 生命保険料あるいは承認されたファンドへの寄付。
  • 教育や医療給付の保険料、EPF年金計画を通じて購入した年金保険の保険料。
  • 書籍、専門雑誌、雑誌の購入(新聞を除く)。

また、マレーシア政府が認知する国内の教育機関で、専門技能、職業スキル、工業技術、科学技術、テクノロジー技術を習得することを目的として大学レベルまで勉強するために、個人が支払った授業費も、RM5,000を限度として控除として認められます。2006年賦課年度から、会計、法律、専門コースの学業分野が含まれるようになりました。

4.1.2 税額払い戻し

居住者たる個人に対する課税額は、以下の税額払い戻しにより軽減されます。

  1. 課税所得がRM35,000を超えない個人は、RM350の払い戻しを受けることができます。配偶者が就労していないか配偶者の所得が合算賦課の場合、その配偶者はさらにRM350の払い戻しが受けられます。同様に、配偶者が分離賦課の場合も、配偶者の課税所得がRM35,000を超えなければ、 RM350の払い戻しを受けることができます。
  2. ザカート(zakat)、フィトラ(fitrah)、その他イスラム教で義務とされる支払いを行なった場合、同額の払い戻しを受けることができます。
  3. 個人または配偶者によるコンピュータ購入に対して、5年に一度RM400の払い戻しを受けることができます。賦課年度2005年から、払い戻し額がRM500に増加されています。
  4. 雇用パス、訪問パス、就労許可交付の際に政府に支払った手数料に対して、払い戻しを受けることができます。

4.2 非居住者たる個人

非居住者たる個人には28%の税率が課せられ、個人所得税控除項目はありません。しかし、就労許可取得の際に政府に支払った手数料に対して、払い戻しを受けることができます。

5. 源泉税

非居住者たる個人には、以下の最終課税である源泉税が課されます。

下記の特定所得に対して10%。

  1. 個人またはその従業員により、土地や権利の使用や、工場、機械、器具の設置や操作どに関連して提供されたサービスの対価。
  2. 技術的経営や管理に関連して提供された技術的アドバイス、アシスタントまたはサービスの対価。
  3. 動産の使用に関する同意や取り決めに基づく賃料またはその他の支払い。

2002年9月21日から、マレーシア国外で提供されたまたは実施された(a)や(b)のサービスに関連して受け取る所得に対しては、源泉税は適用されません。

6. 不動産譲渡益税

2007年4月1日より不動産譲渡益税は撤廃されました。(P.U.(A)146/2007 Exenption Order)

7. 販売税

販売税は、輸入時か製造出荷時に一段階式で課税されます。マレーシアでは、1972年販売税法に基づき、課税対象品の製造業者はライセンスを取得する必要があります。年間売上がRM10万以下か保税工場(LMW)の場合はライセンス取得を免除されています。しかしながら年間売上RM10万以下の会社はライセンス取得が不要である旨の証明を受けなければなりません。

ライセンス取得済みの製造業者は製品の出荷額に対する販売税を納税するのに対し、ライセンス未取得か取得を免除されている製造業者は投入資材の価額に対して販売税を支払わなければなりません。小規模製造業者が資材投入の度に販売税を前払いする負担を軽減するため、1972年販売税法に基づき、小規模製造企業もライセンスを取得し、免税で投入資材を購入することもできます。これにより、小規模製造業者は完成品に対してのみ販売税を支払うようにすることができます。

販売税は通常10%です。しかし、課税対象品の製造に使用される原材料や機械は、免税措置を受けることができます。特定の非課税製品への投入資材も免税となります。

特定の嗜好食料品や建築資材の税率は5%、一般商品は10%、酒類は20%、たばこは25%となっています。特定の一次産品、基本食料品、基本的建築資材、特定の農業機械器具、建設業用の重機械は免税となります。特定の旅行用品、スポーツ用品、書籍、新聞、読み物も免税となります。

8. サービス税

マレーシアにおける特定の物品やサービスの提供に対してサービス税が課せられます。これには、食品、飲料、たばこ、宿泊用の部屋やミーティング、会議、文化的イベントやファッション・ショーのための施設提供サービス、医療サービス、民間病院における宿泊施設や食事の提供が含まれます。

また、法律家、エンジニア、測量士、建築士、会計士、広告代理店、コンサルタント会社、保険会社、自動車サービスや修理センター、通信サービス会社、警備保障サービス会社、レクリエーション・クラブ、不動産代理店、駐車場サービス会社、クーリエサービス会社、獣医などによって提供される専門的サービスやコンサルタント・サービスに対しても課税されます。

2003年1月1日からある会社が同一グループに属する他の会社に提供したプロフェッショナル・サービスに対する5%のサービス税は免税されることになりました。これは、会計監査、法廷弁護士、事務弁護士、エンジニア、建築士、測量士(価格査定、財産査定、不動産業者を含む)によって提供されるサービスに適用されます。2003年1月1日よりマレーシア国内から海外に向けてのクーリエ・サービスも5%のサービス税が免除されます。

サービス税の課税対象範囲が広がり、1987年商業車ライセンス委員会法のもとでライセンスを取得した年間総売上高がRM30万以上の自動車レンタル業や、年間総売上高がRM15万以上の職業紹介所や、プロジェクト管理やコーディネート・サービスを含むサービスを提供する年間総売上高がRM15万以上のマネージメント・サービス会社にも課せられるようになりました。25客室以上あるホテルや、そのホテル内のレストランにもサービス税が課せられています。

通常、サービス税は、課税対象サービスの種類により、年間総売上高がRM15万からRM50万までの水準を超えた場合に課せられます。

9. 輸入税

マレーシアでは、いくつかの特定の品目に対しては固有の算定方式で輸入税が課せられますが、ほとんどの場合従価方式で課されます。しかしながら、最近数年間にわたり、マレーシアは多くの原材料、部品、機械に対する輸入税の廃止を進めています。

さらにマレーシアは、2003年までにアセアン諸国からのアセアン調達率40%以上のほとんどの製品の輸入税が0%から5%の間に引き下げられる、アセアン共通実効特恵関税制度(CEPT)の導入を公約しています。

10. 物品税

たばこ、酒類、トランプなどのカード、マージャンのパイ、自動車といった、マレーシアで製造される特定の製品には物品税が課せられます。

マレーシアで製造された製品の輸出を促進するため、物品税対象の製品を保税工場(LMW)で製造する企業は、1976年物品税法に基づくライセンスの取得を免除され、課税免除となります。

11. 二重課税防止条約

二重課税防止条約は、一方の国を源泉として稼得され課税された事業利益、配当、利子、ロイヤリティが、他方の国に送金された際の二重課税を回避します。現在、マレーシアは下記の国々と同条約を締結しています。(アルファベット順)

アルゼンチン *、インド #、フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ポーランド、オーストリア、アイルランド、ルーマニア、バーレーン、イタリア、ロシア、バングラデシュ、日本 #、サウジアラビア #、ベルギー、ヨルダン、シンガポール、カナダ、大韓民国、スリランカ #、中国、ルクセンブルグ、スウェーデン、チェコ共和国、マルタ、スイス、デンマーク、モーリシャス、タイ、エジプト、モンゴル、トルコ、フィジー、オランダ、アラブ首長国連邦、フィンランド、ニュージーランド、英国 #、フランス、ノルウェー、アメリカ合衆国 *、ドイツ、パキスタン、ウズベキスタン、ハンガリー、パプア・ニューギニア、ベトナム

さらに、台北のマレーシア友好貿易センター(MFTC)とクアラルンプールの台北経済文化事務所(TECO)との間で、二重課税防止条約が締結されています。

* 海運、空輸サービスのみ
# 新締結

GoToTopPage

事業のご案内(投資)