2006年ラオス人民民主共和国労働法

(2006年12月27日国民議会06号)

中村信太郎・鈴木基義 共訳

【第1章】 総則

第1条 目的

この法律は、雇用関係を規定し、国家の社会的および経済的発展を確かなものとするために労働者の能力を最大限に活用し、社会の効率性と生産性を高め、労働者の生活水準を向上させることを目的とする。

第2条 用語の説明

この法律において使用される用語の意味は、それぞれ次の通りとする。

  1. 「労働」とは自然人の身体能力、知的能力および技能をいう。
  2. 「技能の形成」とは、いかなる訓練を受けたこともない労働者について、雇用されるため基礎的な専門訓練を受けることをいう。
  3. 「技能の開発」とは、すでに基礎的技能を有している労働者について、労働市場の各段階での需要に対応するため職業的専門能力および技能を高めることをいう。
  4. 「労働者」とは、法律および雇用契約によって規定される給与または賃金および種々の給付と交換に、労働者を使用する者(使用者)の監督の下で勤労する者をいう。
  5. 「労働者を使用する者(使用者)」とは、労働者をして自らのために勤労させ、法律および雇用契約によって規定された給与または賃金および種々の給付を支払う自然人または法人を意味する。
  6. 「強制的な方法を用いる労働の使用」とは、雇用契約に合致せず、労働者の自発的な意思の欠如の下である仕事をさせるために労働者を使用することを意味する。
  7. 「事業所」(Labour unit)とは、全ての社会・経済部門における生産、企業またはサービスの単位を意味する。
  8. 「労働市場」とは、使用者と労働者との間における労働の需要および供給を意味する。

第3条 労働の原則

労働の原則は次の通りである。

  1. 労働は労働者と使用者との間の雇用契約に基づかなければならない。
  2. 労働は、人種、性別、宗教、政治的意見および社会的経済的地位により差別することなく、労働者および使用者の間で相互利益をもたらすよう確保しなければならない。
  3. 使用者は、労働者の知識と能力に応じて労働者を使用しなければならない。
  4. 使用者は、労働者に対し、給与および賃金を正当に支払い、安全な労働環境を確保し、および社会保障制度を実施しなければならない。
  5. 使用者は、ラオス人労働者を雇用しなければならない。外国人労働者を雇用することが必要な場合には、使用する前に労働監督機関からの承認を得なければならない。
  6. 使用者は、労働者が事業所内に基礎を置く大衆組織および他の社会的法人の構成員となることを受け入れ、施設を提供しなければならない。
  7. 外国に働きに行く必要のある労働者は、労働監督機関からの承認を得なければならない。
  8. 労働者は、労働規則を尊重し、厳格に遵守しなければならない。
  9. 労働者と使用者との間の労働争議の処理に当たっては、雇用契約、規則および法律に従い、公平が確保されなければならない。
  10. いかなる態様の強制労働も禁止する。
  11. 労働者の使用は、労働力の形成および開発に沿ったものでなければならない。
  12. 技能の形成および開発は、社会経済開発計画に合致し、かつ労働市場の需要に合致して実施されなければならない。

第4条 労働政策

国の政策は、労働規律のさらなる向上および国内外への労働力の供給のため、科学および技術を利用して、技能の形成および開発、創造性の向上、技能の競争および雇用情報の提供を推進するとともに、ラオス人労働者の雇用機会を増進し、労働の監督を図り、並びに労働者および使用者の権利および正当な利益を保護するものとする。

第5条 労働組合の役割

労働組合または労働者代表は、事業所内において、労働者の連帯、研修および労働規律の向上、事業所内で策定された生産計画に従った労働実績、労働規則および雇用契約の遵守に関する苦情の申立て、労働争議の解決への参加並びに法律および規則によって定められている給与、労働時間、休憩、労働条件および社会保障制度に関する事項についての使用者との協議について責任を持たなければならない。

労働組合は当該部門におけるそれぞれの規則に従って事業所内に結成されるべきである。労働組合が存在しない場合は、労働者代表を置くものとする。

使用者は、労働組合または労働者代表に対し、活動の遂行が可能となるよう就業時間内に、施設および適当な場所を提供しなければならない。

第6条 この法律の適用範囲

この法律は、事業所で諸活動を行う全ての労働者および使用者に適用される。
事業所以外で労働する者にあっては、3ヶ月以上の期間にわたる書面による雇用契約の下で働く者はこの法律を援用することができる。

この法律は、国の行政および技術的サービス部門、国防、治安維持部門並びに大衆組織において雇用される公務員には適用されない。

第7条 労働に関する国際関係および国際協力

国は、技能形成および開発、雇用機会の供給、労働の監督、労働に関する国際協定の実施、教訓の交換、援助並びにその他の協力等多くの分野および場面における外国および国際機関との関係および協力を広く推進する。

【第2章】 技能の形成および開発

第8条 技能形成および開発の方法

技能の形成および開発は、教育機関、訓練センターおよび技能訓練開発センターでの学習、実地訓練、研修旅行並びに教訓学習等多くの態様で行われる。

第9条 技能開発に関し責任を有する機関

労働監督機関は技能の形成および開発に責任を有する。さらに当該機関は、技能の形成および開発に関し、政府部門および民間部門を問わず社会全体の関係部門を促進し、かつ調整する。

第10条 技能形成および開発の義務

全ての使用者は、労働者が専門知識と経験に通じた熟練労働者となれるよう、その監督および指導の下で労働者に訓練を実施しなければならない。

事業所は労働者の訓練に関する計画を策定し、労働者の給与費または年間人件費の1パーセントに相当する基金を、その責任の下にある国内外の労働者の訓練および職業技能開発のための予算として積み立てなければならない。事業所が自らその労働者の技能の開発ができない場合は、国家技能開発基金に預託しなければならない。

第11条 国家技能開発基金

国は労働者の技能形成および開発のための基金を設立する政策をとるものとする。当該基金の財源は次の通りとする。

  • 国家予算における毎年の労働者からの所得税収入の1.5パーセント
  • 自らの労働者の技能形成および開発を行うことのできない事業所の基金。当該事業所は毎月の労働者の給与の1パーセントに相当する額を納付する。当該額は労働者の給与または賃金から差し引いてはならない。
  • 国内外からのその他の基金

本基金の使用および管理については規則で定めるものとする。

第12条 技能基準

技能基準とは、各技能分野における技能の形成および開発の質および労働者の技能の程度について特定し、検定を行い、および保証するものをいう。

国は技能基準の詳細を定めるものとする。

使用者は労働者の給与または賃金の範囲を定めるに当たり、関係国家機関により検定され、証明された技能の程度を受け入れ、信頼するものとする。

第13条 雇用情報

労働監督機関、事業所および他の関係部門は互いに雇用情報を提供するものとする。

事業所は労働監督機関に対し定期的に雇用情報を報告しなければならない。

労働監督機関および事業所は労働者に対し雇用情報を提供しなければならない。

職を必要とする労働者は労働監督機関または合法的な許可を受けた雇用サービス会社に登録されなければならない。

第14条 労働市場

国および関係部門は、各段階における労働市場の需要に応じ、技能の形成および開発を図るため、国内外における労働市場の把握および調査に注意を払わなければならない。

国および社会は、労働者の雇用機会を創出するため、製造業、商業およびサービス業に対する投資の促進を図ることにより労働市場を拡大するとともに、より高度な技能の形成および開発を図らなければならない。

ラオス人労働者の国外への送り出しおよび外国人労働者のラオス国内への受け入れは、労働監督機関による審査および承認を得なければならない。

国内外の労働市場に応じた雇用サービスの実施は労働機関による承認を得なければならない。

【第3章】 労働規則

第15条 労働規則の内容

労働規則は労働者と使用者が法律上守らなければならない義務である。労働規則はまた、事業所の内部就業規則および雇用契約に則った労働者および使用者の権利と義務により構成されるものとする。

事業所の内部就業規則が法的な効力を発するためには、ラオス人民民主共和国の労働法および規則に則って制定され、かつ労働監督機関によって事前に承認を受けなければならない。

事業所の内部就業規則は、全ての労働者に周知させるとともに、全ての者が知りうるよう掲示されなければならない。

労働者および使用者は、労働規則によって定められた義務を厳格に果たさなければならない。

第16条 労働時間

労働者の労働時間は、給与または賃金の支払形態にかかわらず週6日とし、かつ1日8時間または週48時間を超えてはならない。

次に規定する業務に就労する労働者の労働時間は、1日6時間または週36時間を超えてはならない。

  • 放射線または伝染性の疾病に直接さらされる業務
  • 健康に害を及ぼすガスまたは煙を直接吸引する業務
  • 危険な化学物質、特に爆発性物質に直接さらされる業務
  • 坑口、地下トンネル、水中または高所における業務
  • 著しく高温な場所または低温な場所における業務
  • 振動性機械を常時直接使用する業務

第17条 労働時間の算定

次に規定する時間は、労働時間として算定される。

  • 始業時刻前および就業時刻後の技術的準備時間
  • 時間制や交代制の職場における1時間当り15分を超えない休息
  • 交代制における1交代当り45分間の食事休憩

使用者は、2時間の労働に対し少なくとも5分から10分の休憩を与えるよう適切な生産計画を策定しなければならない。技術的または機械的理由による必要性が生じた場合、交代制の仕事は、労働者が適切に休憩をとれるよう配慮されなければならない。

労働時間として算定される時間については、事業所の就業規則に明記されなければならない。

第18条 時間外労働

使用者は、労働組合または労働者代表および労働者本人からの事前の同意を得た上で、必要に応じ労働者に時間外労働を要請することができる。

時間外労働は、職場に著しい損害をもたらす自然災害や不慮の事態といった例外的状況を除いて、1か月当り45時間を超えてはならない。

時間外労働が必要である場合、使用者はまず労働組合または労働者代表に協議し、当該部署の労働者に通知して時間外労働の必要性について説明しなければならない。

時間外労働が1か月当り45時間を超える場合、使用者は労働監督機関から事前の承認を受けなければならない。なおその際、労働組合または労働者代表の同意書を添付するものとする。

第19条 週休日および休日

労働者は、週休として毎週1日全日を休養日とする権利を有する。休養日は、労働者と使用者との合意により日曜日またはその他の曜日に設定される。
公休日は、政府によって制定される。

第20条 疾病による休業

医師の診断書を提出することにより、月給制の労働者は、年30日を上限として全額有給で疾病による休業が認められる。時間給、日給、出来高払いまたは契約ベースの労働者に対しては、この規定は90日を超える期間にわたり勤務した者に限り適用される。

本条項の規定は、業務上の傷病には適用されない。

第21条 労働規則違反

主な労働規則違反は次のものを含むものとする。

  • 事業所の財産を損傷し、または破壊すること。
  • 事業所の財産を窃取し、または詐取すること。
  • 職責を怠ること。
  • 事業所の規則または雇用契約を遵守しないこと。

【第4章】 雇用契約の成立とその終了

第22条 雇用契約

雇用契約とは、労働者と使用者またはそれらの代理人との間で締結される契約である。全ての使用者および労働者はその専門と経験に応じ、雇用契約に規定されている義務を完全に遂行するように求められる。使用者は、労働者に対し、雇用契約に規定された業務と役割を提供しなければならない。使用者は、雇用契約に従い、給与または賃金を支払うとともに、正当な給付およびその他の賞与を支給しなければならない。

雇用契約においては、職場および業務内容、使用者により提供される報酬の水準やその他の給付について言及されなければならない。

第23条 雇用契約の形式と期間

雇用契約は、書面で締結されなければならない。雇用契約は、期間を定めた契約または期間の定めのない契約とも締結することができる。

雇用契約の期限は、使用者と労働者本人との合意に基づいて決められなければならない。

第24条 雇用契約の形式と期間

雇用契約は、書面で締結されなければならない。雇用契約は、期間を定めた契約または期間の定めのない契約とも締結することができる。

雇用契約の期限は、使用者と労働者本人との合意に基づいて決められなければならない。

第25条 外国人労働者の雇用

事業所は、事業所の必要に応じて労働者を雇用する権利を有するが、ラオス人を優先的に雇用しなければならず、特に貧困削減の対象となっている者の雇用を優先しなければならない。事業所は必要に応じ、次に規定する割合に従い、外国人労働者を雇用できる。その場合、労働監督機関による審査および承認を得なければならない。

  • 特定の知識を持ち、かつ肉体労働を行う者については当該事業所の総労働者の10パーセントを超えないこと
  • 特定の知識を持ち、かつ頭脳労働を行う者については当該事業所の総労働者の20パーセントを超えないこと

この範囲を超えて外国人労働者を雇用する必要がある場合、政府の承認を得なければならない。外国人労働者の雇用の期間は限定されるものとし、かつラオス人労働者に対して技能を移転する義務を有する。

政府は、ラオス人労働者に留保すべき必要があると考えられる活動については外国人の従事を認可しない。これらの活動一覧は別途規則によって定める。

第26条 障害者の雇用

事業所は、身体の一部を亡失した者または障害を有する者について、その能力および技能に応じ、優先的に雇用し、適切な職務に配置し、かつ健常者と同等の給料または人件費を支払わなければならない。

第27条 試用期間

使用者は、労働者の業務遂行能力の有無を確認するために、試しの期間として労働者を雇用する権利を有する。

試用期間の長さは、業務の性質に従い、次に規定する通りとする。

  • 肉体労働のように、経験も専門技術も必要としない労働については30日を超えてはならない。
  • 専門技術職については60日を超えてはならない。

労働者が、試用期間中に疾病のため、またはその他のやむを得ない理由のために欠勤する場合、その期間を試用期間に含めてはならない。労働者が必要な技術を欠く場合、試用期間を延長することができ、または採用を見合わせることができる。ただし、試用期間の延長は30日を超えてはならない。

両当事者は、試用期間中のいかなる時点においても試用期間の終了させる権利を有するが、非熟練労働者について少なくとも3日前、熟練労働者については5日前に相手方に予告しなければならない。そのような場合、労働者は、規則に従い試用期間開始日より終了日までの給与または賃金および他の給付金を受け取る権利を有する。

使用者は試用期間の終了7日前に、正規雇用の是非を文書で通知しなければならない。試用期間中の労働者については、正規の給与または賃金の少なくとも90パーセントが支払われなければならない。

第28条 雇用契約の終了

期限の定めのある雇用契約または期間の定めのない雇用契約のいずれも、両当事者の合意により終了させることができる。

一方の当事者により期限の定めのない雇用契約を終了させる場合、専門技術職については少なくとも45日前、 肉体労働については30日前に相手方へ予告しなければならない。

期限の定めのある雇用契約の当事者にあっては、契約満了の少なくとも15日前に、それぞれの意思を互いに通知しなければならない。雇用契約の継続を希望する場合、両当事者は新たな雇用契約を締結しなければならない。

量の決められた業務に対して締結された雇用契約は、業務の完了をもって終了とする。

雇用契約は、労働者の死亡をもって終了する。使用者はその場合、当該労働者の行った業務量および法律上の他の施策にしたがって、賃金を払わなければならない。

第29条 解雇による雇用契約の終了

使用者は、次のいずれかの場合、解雇によって雇用契約を終了させることができる。

  • 当該労働者が必要な専門技能を欠いている場合または労働者が良好な健康状態になく、従って労働を継続できない場合
  • 使用者が操業環境を改善するために労働者数を減少させる必要があると考えた場合

労働者が必要な専門技能を欠いていると思われる場合または十分な健康状態にないと思われる場合、使用者は当該労働者の技能および健康状態に応じた新たな業務への配置転換を検討しなければならない。そのような新たな業務がない場合、または当該労働者が当該新たな業務に従事できない場合、使用者は、本法第28条に従い、雇用契約の終了を検討することができる。労働者は予告期間中において、新たな職を探すため1週間当り1労働日の有給休暇をとる権利を有する。

事業所が、操業環境を改善するために労働者数を減少させる必要があると考えた場合、使用者は労働組合または労働者代表との協議において影響を受ける労働者の名簿を作成し、労働監督機関へ通知しなければならない。同時に使用者は期間を決めた解雇予告とその説明を与えなければならない。

12ヶ月以上勤務した労働者は、健康状態がよくない、使用者が雇用契約を遵守しない、使用者が労働規則で定められた給付を行わない等正当な理由がある場合、雇用契約終了前であっても当該契約終了の意思を示す権利を有する。ただし、使用者に対して理由を説明するとともに、本法第28条にもとづき予告しなければならない。

使用者が上記のいずれかの理由により雇用契約を終了させる場合、使用者は労働者に使用期間に応じた補償を与えなければならない。

補償の額は、在勤期間が3年未満の労働者に対しては、在勤月数分に対し雇用契約終了時の月給の10パーセントに相当する額とし、3年以上の期間勤務した労働者に対しては、在勤月数分に対し同月給の15パーセントに相当する額としなければならない。

給与が固定されていない出来高賃金制度に基づいて支払われている労働者については、補償額は、雇用契約終了前3か月間に受け取った給与または賃金の平均を基礎として算定されなければならない。

第30条 雇用契約の終了に関する使用者の権利の制限

使用者は、労働者が次のいずれかに該当する場合、雇用契約の終了または業務の中断を強制することはできない。

  • 医師の助言により病気療養若しくはリハビリテーション中の者または天災による家屋損壊等の被害を受けた者
  • 妊娠中の女性または過去1年間以内に子供を出産した女性
  • 年次休暇または使用者によって認められた休暇中の者
  • 使用者の要請により別の職場での勤務を命じられている者
  • 使用者に対する原告若しくは告訴人、労働法規の適用に関し政府職員と協力した仕事を受け持っている者または当該事業所における労働争議に参加中の者
  • 使用者の同意を得て、または勤務時間外に、労働組合、労働者代表または社会的組織の活動を行う労働者
  • 労働組合または労働者代表の選挙の候補者

ただし、本条は第32条各号に規定する過失を犯した労働者には適用されない。

第31条 解雇予告期間中における労働者の特別な権利

解雇通知を受けた労働者が業務上の傷害または疾病のため職務に復帰できない場合、当該傷害または疾病の治療に要する期間は解雇予告期間に含めてはならない。予告期間中も労働者は勤務を継続し、通知以前と同額の給与または賃金を受け取るものとする。

第32条 労働者の責に帰すべき事由に基づく解雇

使用者は、次のいずれかに該当する労働者に対し、補償金を支払うことなく雇用契約を終了させる権利を有する。その場合、少なくとも3日前に通知しなければならない。

  • 不誠実な行動をとり、または使用者の財産に故意に著しい損害を与えた場合。ただし、そのような違法行為に対し然るべき証拠が必要である。
  • 使用者からの警告があったにもかかわらず労働規則に違反した者
  • 正当な理由なしに連続4日間以上欠勤した者
  • 裁判所の判決により禁固刑に処せられた者

第33条 雇用契約の非合法的終了

雇用契約の非合法的終了とは次の場合をいう。

  • 使用者が、正当な理由なく雇用契約を終了させた場合
  • 使用者が、直接または間接に雇用契約の終了を強制した場合
  • 使用者が労働者の基本的権利を侵害した場合
  • 使用者が労働者からの要請があったにもかかわらず、雇用契約に規定された責務に違反した場合

雇用契約が非合法的に終了した労働者は、以前の職務への復帰や他の適切な業務への就業につき、これを要求する権利を有する。

雇用契約が上記の状況の下で終了した労働者に対する補償金は、在勤期間が3年未満の労働者に対しては、在勤月数分に対し勤務終了時の月給の15パーセントに相当する額とする。3年以上勤務した労働者に対しては、在勤月数分に対し同月給の20パーセントに相当する額とする。

第34条 労働者の一時的異動

使用者は、3か月を超えない期間内において同一事業所内の他の業務へ労働者を異動させることができる。ただし、そのような異動は、事業所活動の一時的中断の結果、懲戒上の理由、事業所活動に及ぼしうる損害の回避手段または自然災害に対する保護手段として行われる場合に限られる。異動期間が3か月を超える場合、当事者間で雇用契約の継続について再考されなければならない。

一時的な異動期間において、労働者がより高い職階に任ぜられ、または要求された水準に見合う業務を遂行できる場合、その業務に対応する給与または賃金が支払われなければならない。新しい業務に支払われる給与または賃金がこれまで支給されていた給与または賃金よりも低い場合、労働者には引き続き異動前の給与または賃金が支払われなければならない。

懲戒上の理由による異動については、労働者は、新しい業務に対応する給与または賃金が低い水準にあった場合でも、異動後の給与または賃金水準に基づき報酬を受けなければならない。

異動前の業務に復帰した場合、労働者には異動前の業務に対応した給与または賃金が支払われなければならない。

労働者を当該他の業務へ異動させる場合、理由および事情の如何にかかわらず、新たな業務の性質は従来の業務とは異ならないか、または非常に類似したものでなければならない。

第35条 使用者による雇用契約終了の手続き

使用者は、労働者の不適切な行為に対し注意を与えたにもかかわらずそのような行為が継続している場合、雇用契約を終了させる権利を有する。しかし、使用者は、少なくとも雇用契約の終了5日前にその活動を管轄する労働監督機関に通知しなければならない。

労働監督機関に意見を求めた場合または当該事業所の労働組合若しくは労働者代表に通知した場合を除き、使用者による雇用契約の一方的終了および労働者の解雇は禁止される。

通知した日より15日以内に上記機関から回答がなかった場合、雇用契約は終了させることができる。

そのような場合、使用者は、理由を明記した上で雇用契約の終了を当該労働者に書面で通知しなければならない。使用者は労働者が契約終了までに係る給与およびその他の全ての給付を、法律および規則の定めるところにより支払わなければならない。

第36条 新しい使用者の責任

労働者が、契約違反により雇用契約を終了させ、新しい職に申し込む場合、新使用者は、次のいずれかに該当する場合、旧使用者の側に結果的に発生する損害に対し、その責任を負わなければならない。

  • 新使用者が当該労働者の雇用契約の終了に関与しているという証拠が存在する場合
  • 労働者が他の使用者と雇用契約を締結していることを知りながら、新使用者が、その労働者を雇用した場合

第37条 勤務証明書の発行

使用者は、退職する労働者に対し、退職の日から7日以内に勤務証明書を発行しなければならない。当該証明書には、労働者が勤務を開始した日、退職した日および退職する前の地位を明記しなければならない。

労働者からの請求がある場合には、当該証明書に賃金および勤務内容に関しより詳細に記載しなければならない。

【第5章】 女性および年少者の雇用

第38条 女性の雇用

妊娠中の女性および新生児の育児期間中の女性は、次に規定する業務に従事してはならない。

  • 重量物を持ち上げ、または運搬する業務
  • 長時間継続して立っている業務
  • 本法第16条各号に規定する業務

そのような場合、使用者は女性を一時的に他の業務に就業させなくてはならない。一時的な業務に就いている当該労働者は、最高3か月にわたり通常の給与または賃金を受け取る権利を有し、当該期間を経過した後は、新しい業務に相応する給与または賃金が支給される。

使用者は、時間外労働、週休日出勤および夜間労働に、妊娠中の女性および1歳未満の子供を育児している女性を就業させてはならない。

第39条 産前産後休暇

女性労働者は、産前産後の期間、少なくとも90日間の産前産後休暇をとる資格が与えられ、この間、使用者から、または社会保障基金への拠出が満額なされている場合には社会保障基金から、通常の報酬が支払われる。

そのような産前産後休暇には、少なくとも42日間の産後休暇が含まれなければならない。

出産に起因する疾病のために欠勤する女性労働者は、医師の診断書がある場合、少なくとも30日間の追加休暇が認められ、その間通常の報酬の50パーセントが支払われる。

出産後12か月の間、女性労働者は毎日1時間の授乳または子供の世話のための時間および規則によって定められた予防注射に連れて行くための時間をとる権利を有する。

流産の場合、休暇期間は医師の助言に基づいて決められ、当該期間中は通常通りの報酬が支払われる。

第40条 出産給付

女性労働者は、出産の際、使用者から、または社会保障基金への拠出が満額なされている場合には社会保障基金から、政府によって決められた最低賃金の少なくとも60パーセントに相当する額の給付を受ける権利を有する。

2人以上の子供を同時に出産した場合、当該給付金額は50パーセント増しとなる。流産の場合も、医師の診断書の提出を条件として、当該給付が支払われる。

第41条 年少者に対する雇用

使用者は、14歳以上18歳未満の年少者を雇用することができる。ただし、1日8時間を超えて働かせてはならない。使用者は年少者に対し、次のような過酷な業務または健康にとって有害な業務に就かせてはならない。

  • 採鉱採石業務
  • 化学物質または爆発物および毒物に関わる業務
  • 人間の死体処理に関わる業務
  • 時間外労働
  • 騒音を発生する場所での業務
  • 飲酒および賭博を行う場所での業務
  • すべての業種における午後10時から翌日の午前5時までの労働
  • 本法第16条各号に規定する業務

【第6章】 労働者保護

第42条 労働者保護の方法および労働条件

労働者保護とは、労働者が安全で質の高い仕事ができるよう、条件および環境を整え、並びに他の措置を講ずることである。

使用者は、その監督下にある職場、機械、材料および化学物質の使用を含む種々の生産段階が安全で、かつ労働者の健康を害することのないよう確保する責任を有する。使用者は、事業所の労働組合または労働者代表と協議し、機械の使用において求められる安全面の保護措置の実施、種々の安全機器の設置といった労働と健康に対する保護についての作業規則を作成する責任を有する。

当該作業規則は、全ての労働者に周知させるとともに、全ての者が知りうるよう掲示されなければならない。

職場における安全と衛生を確保するために必要な措置は次に定めるものを含む。

  • 適切な電気照明または自然採光、過度の騒音の防止、健康を害する粉じんおよび臭気を排出するための換気
  • 飲料水、洗面所、シャワー室、便所、食堂および更衣室の設置
  • 毒物を漏出の危険なく安全に保管することのできる貯蔵室
  • 生産工程に従事する労働者に必要な個人用の防護機器および防護服の無償供与
  • 防護機器の設置、危険な機械を囲む防御壁の設置、電気ショックから身を守るための機器や火災警報器の設置等

さらに使用者は、安全に関する研修を企画し、労働者が自らの安全と健康を守るための規則に関し十分な知識を得ることができるよう確保しなければならない。労働者の安全と健康を守る全ての手段は、労働者に無償で供与されなければならない。

労働者は、自らの安全と健康を守るだけでなく同僚の安全と健康を守ることができるよう細心の注意を精励に払わなければならない。労働者は、自らの安全と健康を守るために企画された諸方策の実施に当たり、使用者と互いに協力しなければならない。

使用者は、労働者の健康に有害な麻薬等の物質を使用してはならない。

第43条 労働者に対する医療検診および健康管理

事業所は、就職希望者に対し業務上の疾病にかかっていないことの証明として健康診断書の提出を求めることができる。就職希望者が業務上の疾病にかかっている場合、使用者は雇用申請を拒否できる。

使用者は、特に本法第16条に規定する過酷な業務または健康にとって有害な業務に従事する労働者に対し、少なくとも年に1度健康診断を受けるよう要請しなければならない。労働者が特定の職場において業務上の疾病にかかったことが確認された場合、使用者は規則に従って治療を施す責任を有する。伝染性の業務上の疾病にかかった労働者は、健康が回復するまで治療のための休暇をとり治療に専念できる資格が認められる。回復の折には元の地位に復帰できる。業務上の疾病の診察および治療に係る一切の経費は使用者の負担とし、または社会保障機関に加入している者にあっては社会保障機関の負担とする。

全ての事業所は救急箱を設置しなければならない。50名以上の労働者を雇用する事業所は、医療スタッフを常時待機させるよう措置を講じなければならない。

【第7章】 給与または賃金および所得税

第44条 給与または賃金

給与または賃金とは、使用者が労働者に対して支払わなければならない報酬であり、通貨によって支給されなければならない。給与または賃金は、月の始め若しくは終わりに、または業務の完了の前若しくは終わりに支払われなければならない。

第45条 同一価値労働同一賃金の権利

業務内容が質、量および価値の観点から同等であれば、労働者の性別、年齢、国籍または民族的出自の区別なく、同一の給与または賃金が支払われなければならない。

第46条 報酬水準の決定

政府は各地域について最低給与または賃金を定期的に決定しなければならない。
決定される最低給与または賃金は、生活費およびその時々の変動に基づいた基本的な生活水準を確保するものでなければならない。

使用者は、政府によって定期的に定められる水準を下回る最低給与または賃金の水準を設定する権利を有さない。

全ての事業所での最低給与および賃金の水準は、労働監督機関の監督および監察下に置かれる。

各使用者は次の事項を考慮し、その労働者の報酬の水準を決定する権利を有する。

  • 様々な社会団体の技術能力水準との比較評価や他の事業所における賃金または給与の支払水準との比較。賃金および給与は労働または任務に即したものであるべきである。
  • 行った仕事の価値
  • 労働者の物質的および精神的必要性
  • 生活費およびその時々の変動
  • 労働者のための社会的福利厚生給付および社会保障給付

労働者、労働組合または労働者代表は、給与または賃金の水準に関し、使用者と交渉する権利を有する。

第47条 給与または賃金の支払方法

使用者は、労働者が勤務した時間ごと、日ごと若しくは月ごとの期間の長さに基づき、または一括払いで給与または賃金を支払わなければならない。全ての場合において、給与または手当および賞与を含む報酬の支払は賃金台帳に記録し、各労働者の署名を受けなければならない。

労働者は、雇用契約が遵守されているか否か確認の必要がある場合、給与または賃金の計算の明細を使用者に尋ねる権利を有する。

使用者の承諾を得て行った職場以外における補足的な労働に対する賃金は、生産性に基づき、または一括払いで支給することができる。

給与または賃金は、政府規定または労働者と使用者との特段の合意によって規定されている場合を除き、遅滞なく労働者に全額現金で直接支払われなければならない。

使用者は、給与または賃金に加え、労働者に対する報奨として賞与、諸手当またはその他の恩典を賦与することができる。

麻薬、薬品または健康を害するような物質が、給与または賃金および他の給付に代わって労働者に支払われることを禁止する。

第48条 時間外労働の算定

時間外労働に対する報酬は次の通り算定されなければならない。

  • 通常の勤務日の昼間における時間外労働に対しては、労働した時間ごとに通常の時間給の150パーセントを基礎として算定されなければならない。
  • 通常の勤務日の夜間における時間外労働は、労働した時間ごとに通常の時間給の200パーセントを基礎として算定されなければならない。
  • 週休日または公休日の昼間における時間外労働に対しては、昼間に労働した時間に対しては通常の時間給の250パーセントを基礎として算定されなければならない。
  • 週休日または公休日の夜間に労働した時間に対しては通常の時間給の300パーセントを基礎として算定されなければならない。

午後10時より翌日の午前5時までの間で夜間の勤務を行う労働者に対しては、労働時間ごとに通常時間賃金の少なくとも15パーセント割り増しした額が支払われなければならない。

第49条 給与または賃金の支払い期日

給与または賃金は少なくとも毎月1回決められた日に支払われなければならない。ただし、給付金または賞与についてはこの限りではない。

出来高払いおよび時間給労働については、給与または賃金は少なくとも毎月2度または16日間を超えない間隔で支払われなければならない。

労働者が、出産、疾病または事故といった諸困難や緊急事態に直面し、給与または賃金の前払いを要請する場合、使用者は必要に応じて給与日以前の支払を考慮すべきである。

第50条 一時的業務停止時における給与または賃金の支払い

事業所が、使用者の過誤により生産若しくは営業活動の延期または生産の中止の命令を受けた場合、使用者はこの一時的な中断期間中においても、労働者が受け取る最低給与または賃金の50パーセントを下回らない給与または賃金を労働者に支払わなければならない。

生産および営業活動が通常の状態に回復した場合、給与または賃金も通常通り支払われなければならない。

第51条 給与および賃金支払いの優先順位

事業所が閉鎖され、破産し、または裁判所がその財産の没収を命じた場合、労働者への賞与および給付金を含めた給与または賃金の支払いが優先され、他の負債は残った資産により処理されなければならない。

第52条 損害を弁償するための給与または賃金からの控除

事業所の財産に与えられた損害を弁償するため、労働者の給与または賃金から控除を行う場合、控除は実際の損害額に応じ行われなければならない。

労働者が損害を弁償するために給与または賃金以外の財産を保有しない場合、給与または賃金からの控除を行うことができるが、給与または賃金の20パーセントを超えてはならない。

第53条 所得税の源泉徴収

国外に赴任しているラオス人労働者を含め、ラオス人民民主共和国において雇用される全ての労働者は、所得税に関する規則に従い所得税を支払わなければならない。使用者または監督機関は、労働者の給与または報酬から所得税を精励に源泉徴収し、国庫に納入し、かつフォローアップのために労働監督機関に報告しなければならない。

ラオス人民民主共和国における様々な事業所で就業する外国人労働者は、特別な規定に従い政府に所得税を納付しなければならない。

【第8章】 業務上の負傷および疾病

第54条 業務上の負傷および疾病

業務上の負傷とは、負傷、身体の一部の亡失若しくは障害につながり、またはその結果死に至らしめるような事故であって、以下の各号に規定する状況で発生するものをいう。

  • 使用者または監督者の指示により、職場またはその他の場所において業務上の義務を遂行中
  • 事業所の責任の下にある休養施設や食堂、その他の場所
  • 住居と職場との通勤途中にあった場合

労働監督機関は、業務上の疾病の種類を規定するに当たり、保健行政当局および労働組合と協力しなければならない。
使用者またはその代理人の指示なく、個人的な目的のために行った業務を遂行中発生した負傷は、業務上の負傷とはみなされない。

あらゆる形態の職業病も、業務上の傷害とみなされる。

業務上の疾病の種類は、特定の規則によって規定されている。

第55条 業務上負傷し、または疾病にかかった者に対する支援

使用者は業務上負傷し、または疾病にかかった労働者に対し、適切な支援を与えなければならない。医療費は使用者の負担とし、または社会保障機関の加入者にあっては医師の診断書に応じ社会保障機関の負担とする。

重大な業務上の負傷、疾病または死亡が発生した場合、使用者は48時間以内に最寄りの労働監督機関に報告するものとする。死亡の場合、葬儀および火葬に要する費用は使用者が適切に負担するものとし、その額は故人の給料の6か月分を下回らないものとする。

労働者が、使用者の指示により他の場所で勤務している間に死亡した場合、遺族への遺体または遺品の移送費は、使用者の負担とする。

故人の遺族は、給付金を受ける権利を有する。

第56条 業務上の負傷または疾病に対する補償

業務上の負傷または疾病に対する補償金を、次の通り定める。

業務上負傷し、または疾病にかかった者は、医師による治療およびリハビリテーション期間中を通じて、最高6か月まで通常の給与または賃金を受け取る資格を有する。6か月を超え18か月までの期間中は、給与または賃金の50パーセントのみを受け取る資格を有する。社会保障機関加入者にあっては社会保障機関から給付金が支給される。

労働者が業務上の負傷の結果身体の一部を亡失しした場合、若しくは業務上の疾病の結果障害者になった場合、またはそれらの結果死亡した場合、使用者は被害者またはその遺族に対し、施行されている規則に従い補償金を支払わなければならない。

【第9章】 社会保障

第57条 社会保障の重要性

社会保障は、疾病、出産、労働能力の喪失、死亡、業務災害、業務上の負傷、身体の一部の亡失、失業その他の困難の際、確実性および安心をもたらすことにより、労働者およびその家族の基本的な物質的生活および精神の基礎的保証を図る非常に重要なものである。

第58条 社会保障への強制加入

全ての事業所は、規則に従い、労働者および使用者に対する社会保障政策を実施するため、社会保障基金への支払いを行うことにより、社会保障に加入する義務を負う。

【第10章】 年金・補償制度

第59条 退職年金

事業所で雇用されている労働者は、次に規定する条件を満たす場合、退職するに当たり年金を受け取る権利を有する。

  • 男性にあっては60歳、女性にあっては55歳に達していること
  • 25年間以上勤務していること

ただし、退職する以前に5年以上にわたり継続して危険な業務に就業した労働者については、年金受領資格としての勤務年数を20年間とし、かつ、退職年齢を男性にあっては55歳、女性にあっては50歳とする。

社会保障機関に加入している労働者は、社会保障規則に従って給付を受ける。社会保障機関に加入していない労働者については、事業所が社会保障規則に従って支払う責任を負う。

第60条 退職一時金

本法第59条に規定された条件を満たさない労働者については、本法第29条の規定に従い、一時金が給付されるものとする。

【第11章】 労働争議調整

第61条 労働争議の態様

労働争議とは、労働者と使用者が労働問題に関し合意できないことをいう。労働争議は、次の2つの態様に分けられる。

  • 労働法、労働規則、事業所就業規則、労働規則、雇用契約およびその他の法的文書の実施に関する争議。
  • 利害に関する争議は、労働者が新たな恩典や権利のために使用者に対して改善を要求することから生ずる争議をいう。

第62条 権利に関する労働争議の解決

労働者、労働組合または労働者代表から、使用者が労働法、事業所就業規則、労働規則または雇用契約を遵守していないと考えられる行動をとったとの苦情があった場合、使用者またはその代理者は、直ちに直接その主張者との間で当該苦情の解決を検討しなければならない。この話し合いの間、当該労働者は労働組合または労働者代表に支援を求めることができる。

労働者と使用者が争議に係る全てまたは一部の事項について合意することができた場合、覚書を作成しなければならない。覚書は両当事者およびそれぞれの証人が署名した後15日以内に、労働監督機関および労働組合または労働者代表に送付しなければならない。

第63条 権利に関する労働争議に関する機関

使用者に対する苦情の申し入れ後15日を経過した後にあっても合意に至らず、または合意が実施されない場合、労働者は調停のために労働監督機関に争議を付託する権利を有する。

労働監督機関が、15日以内に争議を解決することができず、または一部のみしか解決できなかった場合、然るべき検討と判断を仰ぐべく人民裁判所に提訴できる。

第64条 利害に関する労働争議の解決

権利に関する労働争議のため本法第62条および第63条で規定された手続きは、利害に対する労働争議の解決に対しても適用される。

労働監督機関が15日以内に利害のための争議を解決できなかった場合、当該争議は、最終決定のため「労働調停委員会」に付託される。

この「労働調停委員会」は、労働監督機関、労働組合または労働者代表、使用者代表およびその他の関係者より構成される。
労働調停委員会の設立および活動は、特定の規則により定められている。

第65条 就業停止の禁止

労働者、使用者または各当事者の代理人は、次に規定するいずれかの場合、就業停止を宣言してはならない。

  • 労働法および規則、雇用契約並びに給付に関する争議の期間中
  • 両当事者が解決のための交渉に同意した場合
  • 労働監督機関および労働調停委員会が未解決の問題を解決する過程にある場合
  • 人民裁判所に提訴される前の労働争議解決の過程にある場合

いかなる個人および組織も、就業停止に関与し、または直接的に、間接的に、口頭で若しくは実力で労働者、使用者若しくは各当事者の代理人を煽動し、その結果労働者または使用者に損害を与え、または社会的秩序を乱した場合、実施されている法に従い処罰される。

【第12章】 労働監督および監察

第66条 労働監督機関

労働監督機関は次の各機関により構成される。

  • 労働社会福祉省
  • 県およびビエンチャン首都の労働社会福祉局
  • 郡および市1の労働社会福祉部

1 (訳者注) 市(テッサバーン)は2007年7月現在設置されていないが、首都および県の都市部において郡よりも大きい行政単位として想定されている。

第67条 労働社会福祉省の権限および役割

労働社会福祉省の労働に関する権限および役割は次の通りとする。

  1. 政府の承認を得るため、技能開発、雇用創出および労働監督に関する戦略並びに長期、中期および短期の計画を検討し、並びに作成すること
  2. 労働法および労働関係諸規則を周知させ、フォローアップし、指示し、およびその実施を監察すること
  3. 雇用サービス企業、組織および財団の設立を検討し、審査し、承認し、または廃止すること
  4. 労働、統計、情報、労働市場その他の事項について科学的な調査を組織し、および実施すること
  5. 技能の形成および開発並びに雇用の創出に当たって諸部門および組織と協力すること
  6. 国内外のラオス人労働者およびラオス人民民主共和国で働く外国人労働者について、外務省、治安維持省および他の関係部門と中央および地方レベルで必要に応じ連携しつつ、これを監督すること
  7. 雇用サービス企業の行動を監督し、および監察すること
  8. 規則に従い、技能形成および開発のための国家基金を管理し、使用し、および監察すること
  9. 労働争議について、当事者の役割と機能に従い、仲裁を行うこと
  10. 労働関係について外国と関係を結び、および協力すること
  11. 法律に従い、その他の権利および役割を実施すること

第68条 県およびビエンチャン首都の労働社会福祉局の権限および役割

県およびビエンチャン首都の労働社会福祉局の労働に関する権限および役割は次の通りとする。

  1. 労働に関する戦略および開発計画を改訂し、または作成すること
  2. 労働法および労働関係諸規則を周知させ、フォローアップし、指示し、および実施を監察すること
  3. 技能の形成および開発並びに雇用の創出に当たって各局および諸組織と協力すること
  4. 内外のラオス人労働者およびラオス人民民主共和国で働く外国人労働者について、各地域における関係組織と必要に応じ連携しつつ、省の指示に従い、これを監督すること
  5. 規則に従い、技能形成および開発のための国家基金を管理し、使用し、および監察すること
  6. 法律および規則に従い、労働争議の仲裁を行うこと
  7. 雇用サービス企業、組織および財団の申請または設立を検討し、労働社会福祉省に対して同意および承認のために提出すること
  8. その責任において設立された雇用サービス企業、組織および財団の行動について指示し、フォローアップし、および監督すること
  9. 労働および労働市場についての情報をフォローアップし、および収集すること
  10. 労働に関し取りまとめ、上位機関に報告すること
  11. 法律に規定されたその他の権限および役割を実施すること

第69条 郡および市の労働社会福祉部の権限および役割

郡および市の労働社会福祉部の労働に関する権限および役割は次の通りとする。

  1. その責任の範囲内において、労働法および労働関係諸規則を周知させ、フォローアップし、指示し、および実施を監察すること
  2. 技能の形成および開発並びに雇用の創出に当たって各部および諸組織と協力すること
  3. 法律に従い、労働争議の仲裁を行うこと
  4. その責任の範囲内において雇用サービス企業、組織および財団の行動についてフォローアップし、および監督すること
  5. 労働および労働市場についての情報をフォローアップおよび収集し、上位機関に提出すること
  6. 労働に関しとりまとめ、上位機関に報告すること
  7. 法律に従いその他の権限および役割を実施すること

第70条 他の関係部門の権限および役割

地方の各レベルにおける労働に関係する諸部門および政府機関は、労働がさらに成長し、国の社会経済開発の強化に貢献できるよう、技能の形成、開発並びに促進、雇用創出および労働監督に関し、それぞれの役割と責任に従い、労働部門と協力する権限と役割を有する。

第71条 労働監察機関

労働監察機関は、本法第66条に規定する労働監督機関とする。

第72条 労働監察機関の権限および役割

労働監察機関の権限および役割は次の通りとする。

  1. 労働関係規則並びに法律および労働に関する計画の実施を監察すること
  2. 労働条件、労働福祉および社会保障を監察すること
  3. 職場における安全衛生を監察すること
  4. 年少者および女性の労働を監察すること
  5. 技能の形成および開発を監察すること
  6. 雇用サービス企業を監察すること
  7. 法律に規定する権限および役割を実施すること

第73条 労働監察制度

労働監察制度は次の3種に分類される。

  1. 通常監察
  2. 結果フォローアップ監察
  3. 特別または即時監察
  • 通常監察は定められた日程に基づく。
  • 結果フォローアップ監察は、通常監察の後で実施されるもので、注意および改善勧告がなされた事業所を対象とする。
  • 特別または即時監察は、監察対象組織に対する事前の通告なしに行われる緊急の監察である。

【第13章】 賞罰規則

第74条 表彰規則

この法律の実施に関し顕著な結果を挙げた者または組織は、適切に表彰され、報奨を受けるものとする。

第75条 罰則

この法律に違反した全ての個人および組織に対しては、違反の程度に従い、指導、警告、科料、一時操業停止、事業許可取消その他法的な措置がとられるものとする。措置には、法令にしたがった損害補償が含まれる。

【第14章】 終則

第76条 実施

この法律はラオス人民民主共和国政府が実施する。

第77条 発効

1994年3月14日国民議会002号により公布された労働法は失効し、改正されたこの労働法がこれに代わる。

この法律は、公布後90日を経過した日から施行する。

この法律に適合しないいかなる決定および条文も無効とされる。

国民議会議長
Samane Vignaket

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