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第4章 労働法規および労使関係

中央積立基金

社会安定性

シンガポールで社会安定性を維持するための重要な機能として、中央積立基金(CPF)が挙げられます。これは、義務として貯蓄を行う制度で、月間給与支給額または受け取り額が50シンガポール・ドルを超える全ての雇用主および従業員が積立を行います。CPFは、労働者に対して、老年期に備えた財務上の保障を提供します。年月を経て、加入者の年金、住居の自己所有、医療保障上のニーズに対応した、包括的な社会保障貯蓄制度へと発展しました。さらに、同制度は、その保険機能ならびに投資制度に基づく資産価値増加機能を通じてCPF加入者ならびにその家族に対して、財政上の保護機能を提供します。


中央積立基金 (CPF)は、雇用主および従業員*の双方が積立を義務付けられている社会保障貯蓄制度です。この基金は、賃金所得者に対して老年期に備えた財務上の保障を提供することを目的として、1955年に導入されました。それ以来、中央積立基金管理局(CPF Board)は、加入者のために、住居の自己所有、住宅ローン低減保険、定期生命保険、入院保障、医療保険、現地公認機関での投資および教育など、様々な制度を導入しました。CPF加入者は、自己のCPF積立金に対して市場の実勢金利を基準とする年次利息の支払いを受けます。

シンガポールにおける各雇用主は、CPF管理局への登録が義務付けられています。雇用主とは、法人化の有無を問わず、従業員を雇用している個人、企業、協会または個人により構成される団体を意味します。雇用主を代行して、従業員に対して賃金支払いを行う管理者、代理人あるいは個人も雇用主とみなされます。

賃金の定義

雇用主および従業員によるCPF積立額の算出を目的に、 雇用に関して従業員に支払われる、あるいは認められる報酬は全て、時間外勤務手当て、手当金、手数料収入、賞与を含め、「賃金」として扱われます。

賃金には、基礎賃金と追加賃金の二種類があります。基礎賃金は、任意の月の雇用に関して全額が単独で支払われる賃金で、該当する月のCPF積立期日の前に支払われます。食費手当て、時間外勤務手当てなど該当する月の雇用によって得られた手当金が含まれます。CPF積立の上限金額は、月間基礎賃金6000ドルを上限とする給与を基準とします。

追加賃金は、任意の月に全額が単独で支払われることのない賃金で、年次賞与、有給休暇に代わり支払われる金銭、特別報奨金および一ヶ月以上の間隔を空けてその他に支払われる金銭がこれに該当します。

従業員の暦年月に支給される総賃金は、基礎賃金と該当する月中に当該従業員に支払われる追加賃金の合計額です。

賃金が暦月を基準に支払われない場合、例えば、週ベース、ないしは2週間ベースで支払われる場合、雇用主は、賃金支払いを、CPF積立金が支払われる暦月に比例させることが義務付けられます。CPF積立金額が算出される暦月を基準とした「基礎賃金」を確定するためには、このような賃金支払いの比例配分が必要になります。

積立金の支払い

雇用主は、全ての従業員のために、当該従業員の雇用開始日からCPF積立を行うことが義務付けられます。この場合の従業員には、55歳以上の従業員ならびに臨時採用、一時的雇用、試用期間中、パートタイム、日雇い、週雇い、月雇い、あるいは出来高払い雇用の従業員が含まれます。任意の月の1日に雇用が開始されない場合、該当する月の積立金額は、対象となる従業員が該当する月の末日までを対象に獲得する実際の賃金を基準に算出されます。

CPF積立の支払い猶予期間は、以下の通りです:

  1. 従業員数が4名以下の雇用主の場合−当該積立金の支払い期日が到来する月の末日から10日間。
  2. 従業員数が4名以上の雇用主の場合−当該積立金の支払い期日が到来する月の末日から14日間。

CPF積立金の支払遅延には、月間利率1.5%を基準とする利息が発生します。当該利息は、積立が発生する月の翌月の初日から日々算出されます。月間の最低支払い利息は、5シンガポールドルです。

* 雇用主は、シンガポール国民ならびにシンガポール永住権取得者に対してのみCPF積立を行います。

積立率

民間セクターのCPF積立率は、以下の通りです:

    従業員の年齢
  55歳未満 55歳以上60歳未満 60歳以上65歳未満 65歳以上
従業員の月の総賃金 当該月に雇用主から支払われる積立金 当該月に従業員の賃金から支払われる積立金            
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
$50未満 なし なし なし なし なし なし なし なし
$50以上、
$500以下
従業員の当該月の賃金の16% なし 6% なし 3.5% なし 3.5% なし
$500以上、
$750未満
a従業員の当該月の総賃金の16% ;および a.なし 6% なし 3.5% なし 3.5% なし
b.従業員の当該月の総賃金と$200との差額の 0.6 b. 従業員の当該月の総賃金と$200との差額の0.6 0.37 0.37 0.22 0.22 0.15 0.15
$750以上 a. 従業員の当該月の基礎賃金の36% で、上限は $2,160; および a. 従業員の当該月の基礎賃金の20% で、上限は $1,200; 18.5%
上限
$1,110
12.5%
上限
$750
11%
上限
$660
7.5%
上限
$450
8.5%
上限
$510
5%
上限
$300
b. 従業員の当該月の追加賃金の36% b. 従業員の当該月の追加賃金の20% 18.5% 12.5% 11% 7.5% 8.5% 5%

備考:

  1. 55歳以上60歳まで、60歳以上65歳まで、65歳以上の年齢層に含まれる従業員に対しては、列(2)および列(3)に太字で記載される数字の代わりに、列(4)から列(9)でそれぞれ対応して記載される数値を単に当てはめる。
  2. 列(2)、(4)、(6)および(8)に記載される積立金は、雇用主が第一に支払う金額。当該雇用主は、列(3)、(5)、(7)および(9)に記載される積立金相当を、対象となる従業員の当該月の賃金から控除する権利を有する。
  3. 暦月を基準に各従業員について雇用主が支払う積立金額は、最小ドル単位で切り捨てる。例えば、50セントまたはそれ以上の端数は、最小ドル単位に切り捨てる。
  4. 列(3)、(5)、(7)および(9)に記載される積立金相当を、対象となる従業員の当該月の賃金から差し引く際に、ドルの位の端数は、無視される。

1990年1月1日から、年間総賃金が10万シンガポールドル以上の従業員の追加賃金に対するCPF積立金の上限額が設定されています。

外国人従業員のCPF積立免除

1995年8月1日から、就労許可書(Employment Pass)、職業訪問許可書(Professional Visit)、あるいは有効期間3年の労働許可書(Work Permit)に基づいて新規に外国人を雇用する雇用主は、CPF積立が免除されます。ただし、1995年8月1日以前に既に雇用されている外国人従業員については、現行の許可書の有効期限が到来するまでCPFの積立が継続されます。

外国人がシンガポール永住権を取得して居住者(SPR)となる場合、雇用主は、当該外国人についてCPFの積立が義務付けられます。SPRとなる前に、当該雇用主が規定の当該積立を行っていない場合、当該従業員の手取り給与の低い水準に調整するために、SPR資格取得後の2年間は、(以下に示す)低率での積立が義務付けられます。ただし、外国人従業員がシンガポール国内に居住する時点で既に規定のCPF積立を行っていた場合、正規の積立率が継続して適用されます。

    従業員の年齢
  55歳以下 55歳以上60歳未満 60歳以上65歳未満s 65歳以上
永住権(SPR)取得年 暦月に雇用主が支払う積立金 暦月に従業員の賃金から支払われる金額            
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)
1年目 9% 5% 9% 5% 8.50% 5% 8.5% 5%
2年目 27% 15% 18.5% 12.5% 11% 7.5% 8.5% 5%
3年目 36% 20% 18.5% 12.5% 11% 7.5% 8.5% 5%

 雇用主から支払われる積立率は、列(2)、(4)、(6)および(8)に記載されています。一方、列 (3)、(5)、(7)および(9)に記載される数値は、従業員から回収される金額を示しています。

各関係労働法

現在施行されている主な労働法規は、以下の通りです:

  • 雇用法第91章 1996年改定 (The Employment Act, Cap. 91、Revised Edition 1996)
  • 労務管理法第136章 1985年改定(The Industrial Relations Act, Cap. 136 、Revised Edition 1985)
  • 中央積立基金法第36章 1994年改定(The Central Provident Fund Act, Cap. 36、Revised Edition 1994)
  • 工場法第104章 1985年改定(The Factories Act, Cap. 104、Revised Edition 1985)
  • 外国人雇用法第91章A 1991年改定(The Employment of Foreign Workers Act, Cap. 91 A、Revised Edition 1991)
  • 労働争議法第331章 1985年改定(The Trade Disputes Act, Cap. 331、Revised Edition 1985)
  • 労働者補償法第354章 1985年改定(The Workmen’s Compensation Act, Cap. 354、Revised Edition 1985)
  • 定年法第274章A 2000年改定(The Retirement Age Act, Cap. 274A、Revised Edition 2000)
  • 派遣会社法第92章 1985年改定(The Employment Agencies Act, Cap. 92、Revised Edition 1985)
  • 労働組合法第333章 1985年改定(The Trade Unions Act, Cap. 333、Revised Edition 1985)
  • 刑法第3部(一時保護)第67章 1985年改定(Part III of the Criminal Law (Temporary Provisions) Act, Cap. 67、Revised Edition 1985)
  • 休暇法第126章 1985年改定(Holidays Act, Cap. 126、Revised Edition 1985)
  • シンガポール労働基金法第302章 1985年改定(The Singapore Labour Foundation Act, Cap. 302、Revised Edition 1985)
  • 一時解雇金積立法第266章 1985年改定(The Redundancy Payments Fund Act, Cap. 266 、Revised Edition 1985)

 [この法律ならびに同法律に基づいて定められた規則等は、「一時解雇金積立法(企業解散)1992年法令26号 wef 28.8.92 vice S376/92」の施行により、廃止されました]

シンガポールにおける前述の労働法規は、最も重要点のみを強調したものです。さらに詳しい情報を入手したい方は、前述の法規を詳しくお調べになるか、あるいは以下の管轄機関までお問い合わせください:

  1. 労働関係および雇用法規についてのお問い合わせ先:
    労働省 労働監査官
    (Commissioner for Labour、Ministry of Manpower)
    18 Havelock Road
    Singapore 059764
    電話: (65) 6534 1511
    ウェブサイト: http://www.mom.gov.sg
    ファックス: (65) 6535 4811
  2. 国家賃金評議会についてのお問い合わせ先:
    国家賃金評議会 秘書課(National Wages Council Secretariat)
    労働省 気付 (c/o Ministry of Manpower)
    18 Havelock Road
    Singapore 059764
  3. CPF積立および手続きについてのお問い合わせ先:
    最高経営責任者(Chief Executive Officer)(2003年3月1日から)
    中央積立基金管理局(Central Provident Fund Board)
    79 Robinson Road
    CPF Building
    Singapore 068897
    電話: 1800 - 226 3877
    ファックス: (65) 6225 8732
    ウェブサイト: http://www.cpf.gov.sg
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