フィリピンの投資環境
投資関連法
- 1987年オムニバス投資法(共和国法第226号)
優遇措置を伴う外国及び内国の投資に関する基本的な法律で奨励措置を規定している。 - 1991年外国投資法(共和国法第7042号)
優遇措置を伴わない外国投資に関する基本的な法律で、ネガティブリストに記載された分野以外への外資は100%認められる。 - 1995年特別経済区法(共和国法第7916号)
輸出加工区及び特別経済区(Special Economic Zones:ECOZONES)に関する総括的な法律で最も多くの奨励措置を規定している。
最低投資額
株式会社の最低資本金は5,000ペソ。
投資申請
- 優遇措置を受ける場合
外資比率に関わらず進出先によって投資委員会(BOI:Board of Investments)もしくはフィリピン経済区庁(PEZA:Philippine Economic Zone Authority)に申請。承認後、パートナーシップもしくは株式会社の場合は証券取引委員会(SEC:Securities and Exchang Commission)へ、個人企業の場合は貿易産業省・消費者保護局(BTRCP: Department of Trade & Industry, Bureau of Trade Regulation and Consumer Protection)へ登録する。 - 優遇措置を受けない場合
パートナーシップもしくは株式会社の場合はSECへ、個人企業の場合はBTRCPへ直接赴いて登録するだけでよい。
投資分野
- 規制分野
外資比率が制限されている分野はネガティブリストに記載されている。 - 奨励分野
毎年発表される投資優先計画に記載されている。パイオニア、非パイオニア、パイオニア/非パイオニアのいずれかに分類され、優遇措置を受けるための条件に違いがある。
優遇措置
- 優遇措置の内容及び条件は、外資比率・投資分野・投資地域等により異なる。
[BOI登録企業の場合]
-投資優先計画(IPP:Investment Priorities Plan)に記載された分野に投資する場合、又は
-輸出指向型産業の場合。(輸出比率70%以上)- 一定期間の所得税免除
- 人件費に対する追加控除
- 輸入資本財及び付属スペア部品に対する課税免除
- 国産資本財に対する税額控除
- 通関手続きの簡素化
- 委託設備の無制限使用
- 外国人の雇用
- 繁殖用家畜と遺伝学用材料の免税輸入
- 国産の繁殖用家畜と遺伝学用材料に対する税額控除
- 輸出製品の原材料に対する税額控除
- 保税工場/保税倉庫へのアクセス
- 輸入スペア部品に対する課税免除(生産品の70%以上が輸出される場合)
- 埠頭税、輸出税、関税、賦課金及び手数料の免除
BOI登録企業に与えられる上記の優遇措置に加えて、さらに以下の恩典が与えられる。
- 100%外資が認められ、資本譲渡規制もない
- 国税・地方税が免除され、課税は5%の特別税のみ
- 教育訓練費(労務費および管理費)の追加控除
- 外国人投資家とその家族に対する永住権の付与
既存企業の拡張への奨励措置
- 以下の条件で100%出資可
—優遇措置を受ける場合
- 輸出加工区内又はエコゾーンに設立(資本譲渡規制なし)
- BOI登録企業で、IPPに記載されたパイオニア分野に投資する場合(30年以内に60%の資本譲渡規制あり、ただし生産の100%が輸出向けの場合は例外)
- BOI登録企業で、IPPに記載 された非パイオニア分野に投資する場合で生産の70% が輸出向けの場合
- BOI登録企業で、低開発地域に立地する場合
- 生産の60%以上を輸出する場合はなんらの制約もない。
- 国内市場向け企業(輸出比率60%以下の場合)は、下記が奨励される。
- フィリピン人をパートナーとして採用し、役員として登用
- フィリピン人への技術移転、経済改善のための雇用拡大
- フィリピン労働者の技能育成を通してフィリピン人の事業への関わりを深める方策を講ずること
- 上記以外は、外資比率は最高40%までに制限されている。
税制
- 法人所得税 内国法人、外国法人を問わず一律32%の定率課税。課税所得の対象は、事業所得、利子、配当所得、サービスの提供による所得等すべての所得源泉から生じた所得。
- 個人所得税 5〜33%の累進課税で、課税対象や税率は納税者により異なる。
- 付加価値税10%の税率で、物品の販売・輸入、サービスの提供に対し課税される。(年間売上が20万ペソ以上の場合)
- その他の租税:関税・百分率事業税・物品税・固定資産税・印紙税・地方税等
- フィリピンと日本は、租税条約により二重課税防止が設けられている。
金融
- 国内からの借入に関する規定
—外資40%以上の場合
- 事前に IAC (Inter-Agency Committee:中央銀行、投資委員会、国家経済開発庁及び財務省の代表により構成され、外国企業による国内借入に関する政策及び細則を監理し実施する組織)に申請し、許可を取得する必要あり。
- 借入枠についての制限は資本金との関係で以下の比率を維持することが義務づけられている。
- BOI及びPEZAに登録された輸出指向型企業 自己資本30:借入金70
- その他の製造業 自己資本35:借入金65
- 非製造業 自己資本40:借入金60
フィリピンの地場企業と同様の条件で借入可能。
- 海外からの借入に関する規定
外貨の借入は原則として自由だが、将来、元本返済及び利子の支払いにあたり銀行を経由した外国為替を利用する場合、中央銀行の事前許可(中長期借入の場合)または登録(短期借入の場合)が必要。(承認なしで借入も可。ただし、元本及び利子の返済にあたり外貨を銀行以外から調達しなければならない。)
外国人労働者
- BOI登録企業であれば、フィリピン人による充当が困難な場合、外国人の雇用が認められる。期間は登録時から5年までだが、BOIの同意があれば限られた期間延長できる。
認められるポスト:経営者、技術者、顧問等 - 外資50%以上の企業の場合は、社長、経理部長、総務部長あるいは同等の地位に外国人を充てることができる。期間も前述の制限を受けない。
- PEZA登録企業にも同様の優遇措置が付与されている。
土地所有
土地の所有はフィリピン国民もしくはフィリピン資本60%以上の企業のみに認められている。外国人のみによる土地の所有は禁止されている。 土地の使用については、長期リース方式(借地期間50年、延長25年の最長75年間のリース可能)、あるいはフィリピン人パートナーと土地保有会社を設立し、その会社からリースする方式を選択する。

