事務総長ご挨拶

謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
昨年の未曾有の大災害に対し、被災地の皆様には心からお見舞いを申し上げますとともに、新しい年が皆様にとって希望に満ちた年となりますことを、心よりお祈り申し上げます。
私共、日本アセアンセンターは1981年の設立以来、ASEAN10カ国と日本との貿易、投資および観光を促進するために、ASEAN商品の展示商談会、投資や人材育成のセミナー・ワークショップの開催、専門家やミッションの派遣および招へいなど、多岐にわたる事業を実施してきました。
この30年間、ASEANは目覚しい経済成長を遂げてきました。その成長は近年においては中国やインドへの輸出の増加に加えて、内需拡大とASEAN域内輸出の急増が大きく貢献し、ADBの予測では2012年のASEAN諸国の経済成長は平均して5.7%となっています。当センターも設立当初は日本からASEAN諸国への経済活動支援に関わる事業を重点的に取り組んでまいりましたが、ASEAN先発加盟各国の目覚ましい経済発展や、後発加盟国との経済格差といった新たな状況を受け、急速な変化や個々の発展のペースに対応しながら活動を更に拡大・深化していくことが必須となりました。
こうした状況を踏まえ、当センターのミッションを謳った設立協定も改定し、昨年4月に発効しました。改定を受け、当センターに対する日本政府とASEAN10カ国政府の拠出金の分担比率は、9対1から7対1に変更され、ASEAN側から更に実質的な貢献がなされることになりました。また、これまでは日本からASEAN諸国への一方通行であった投資と観光の分野においての促進活動は、双方向の展開を目指すことが合意されました。さらに、経済面での交流に限らず、「人物交流」がセンターの4番目のミッションに加わり、社会文化芸術面の交流にも注力することになりました。従って事務所に併設する多目的ホール(アセアンホール)では、貿易展示商談会、経済・観光セミナーに加え、美術展、ファッションショーや学生交流イベントなど様々な文化・交流イベントも開催し、多方面での日本とASEAN諸国とのパートナーシップを強化するため、活動しております。
また、野田総理も「世界経済の成長の中心にあるASEANを含むアジア太平洋の国々との関係強化は日本の新成長戦略に欠かせない」と仰っている通り、日本ASEAN関係は、益々重要性を増しています。少子・高齢化が進む日本にとっては、今後成長するためには外とのネットワークを強化拡大することが必要であり、特に信頼出来る友邦国であるASEAN諸国との友好関係は不可欠です。日本政府の新成長戦略ではASEAN内での格差の是正が取り上げられていますが、ASEAN域内の格差是正は2015年のASEAN共同体の設立に向けての最大の課題でもあり、ASEAN憲章で経済共同体での役割が明記されている当センターの最大の使命でもあります。当センターでは2011年より事業予算も7対3で経済格差の大きいメコン河流域諸国(CLMV)に傾斜するようにし、引き続き、先進と後発ASEAN諸国の格差是正に焦点を当てた事業を強化していきます。
当センターは今後もこの30年間に築き上げてきたネットワークと連携を最大限に活用し、限られた資源で最大の効果を上げるために尽力してまいります。当センターの事業を通し、皆様により一層ASEANへの理解と相互関係の大切さをお伝えすることで、日本とASEAN諸国のより一層の発展、信頼と共生関係の強化に今後も寄与していきたいと考えています。
最後になりますが、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げますとともに、日本アセアンセンターの事業に対して、今後も皆様よりご指導・ご支援賜りますよう、お願い申し上げます。
平成24年1月
事務総長プロフィール
大西克邦 おおにし よしくに
(昭和15年3月31日生)京都府出身
職歴
昭和42年 アジア生産性機構(APO)国際事務局入局
昭和49〜平成7年 計画部並びに調査企画部担当官
平成8〜15年 調査企画部長
平成16〜18年 事務総長顧問
平成19年〜20年 株式会社日本国際ビジネスアドバイザリー代表取締役社長
平成21年〜現在 国際機関日本アセアンセンター事務総長
その他
昭和50〜55年 アジア経済研究所 外部調査員
昭和57年 名古屋大学経済学部にて非常勤講師
平成12年 外務大臣賞受賞
平成17年 十文字女子大学社会情報学部にて非常勤講師
学歴
早稲田大学法学部卒業
英国バース大学修士・博士課程修了(開発経済学)

